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号外広島がリーグ3連覇 9度目のV

若者、よそ者、ばか者、夢語り者がカギ!

 東京農業大学は、北海道福島町と連携協定を締結し、地域創生リーダー人財の養成と定着、地場産業振興やブランド化を目指している。昨年に続き私は7月4日、北海道福島商高3年生を対象に「ひと育て」「まち育て」講演会講師を務めた。

     地域創生に関する成功の方程式、「五感六育」事業の展開、地域創生リーダー人財の類型や養成プログラムのあり方などについて講話した。その後は、3年生の道の駅開設に向けた提案づくりや、観光スポット青の洞窟のPR策や同校PR・CMの作成等の企画提案・実践型授業の視察をした。

     これまでの成果として昨年11月、北海道教育大学函館校で開催された「第2回はこだて学生政策アイディアコンテスト」(一般社団法人はこだて地方創生研究会主催)で、3年生課題研究ふるさと班が「福島町の文化と伝統を紹介し、地域おこしにつなげることで町を元気にしたい」をテーマに発表し、優秀作品アイディア賞を受賞した。前回に続き2度目の同賞受賞だ。

     福島町は、第41代横綱千代の山と第58代横綱千代の富士の2大横綱の生誕地。記念館にはその全記録と大相撲文化が収められており、相撲ファンには実に魅力的な場所だ。また、トンネル技術を結集した世界最大の海底トンネル「青函トンネル」、泉質がナトリウム・カルシウム硫酸塩の温泉などがある。

     同町は、渡島半島の南端で函館市まで車で約1時間半。今年6月末現在の人口は4166人。対馬暖流により年間を通じ比較的温暖な気候に恵まれ、漁業、水産加工業のまち。特産品は、生産量日本一のするめ、昆布、水産加工製品などがある。

     産業支援として、2017年に「福島町がんばる地元企業等応援条例」を制定し、地場の企業施設の設備投資や雇用の拡大、事業継承及び確保を図る事業者を支援している。雇用奨励助成金は、事業者の人件費総額が前年度または基準年度(14年度)と比較し、3%以上増加した場合に上限なし、特別雇用奨励助成金は、事業者や町内の社会福祉法人等が福島商高の新卒業生を雇用した場合に支援している。

     今回は昆布プロジェクト施設とアワビ陸上養殖加工施設も視察した。福島町の約6割の水揚げは昆布養殖が占める。しかし、春先の間引き作業で生じる昆布は、一部「やわらか昆布」「刻み昆布」として商品化するほかは大部分は廃棄されていた。このため15年から地方銀行の紹介で行政、漁協、企業の連携による商品開発の協議を始めた。16年に廃棄していた間引き昆布を「早採り昆布」として生で出荷、集約、乾燥・加工し、総菜原料と販売する「昆布プロジェクト」がスタートした。17年度は、生・製品110トン、520万円の漁業収入増と10人雇用増、18年度は、同450トン、2250万円増、22人の雇用増となった。19年度は、生昆布1000トン以上の加工を計画している。

     また、アワビ陸上養殖加工施設は17年度に水槽1000基の加工施設を設置。陸上養殖施設の方式に特許を持つ地元企業と共同で、「福島に来ればいつでもアワビ」をキャッチフレーズに安価な蝦夷アワビの周年出荷体制を確立した。この取り組みから挑戦する土壌づくり、若者はじめ地元雇用の場の確保、地場産品のブランド化を推進したいものである。

     地域創生の基本は、まちの五感(感動・四季)分析から基幹産業分析(付加価値額ランキング)をし、産業創造・創発、起業や企業誘致、域内外のネットワーク形成、若者はじめ地元人財養成と定着、まちのひと・もの・ことの全体最適化である。その実現には、地元で熱い若者、よそ者、ばか者(熱き者)、夢語り者がカギだ。福島町の今後の展開に協力・応援いたしたい。

     きむら・としあき 1960年北海道生まれ。84年小樽市入庁。06年内閣官房・内閣府企画官。09年農林水産省大臣官房企画官。地域創生担い手養成、地域ビジネス創出、地域と大学との連携、6次産業化などを担当。現在、東京農業大教授、内閣官房シティマネージャー、総合政策アドバイザー、(一社)日本事業構想研究所代表理事、日本地域創生学会会長、地域活性学会常任理事ほか。博士(経営学)。NHK番組プロフェッショナル「仕事の流儀 木村俊昭の仕事」ほかに出演。

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