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柴田圭子氏

ハード、ソフト両面の市民参加が街づくりの根本

 千葉県白井市の千葉ニュータウンは、県と都市基盤整備公団(現都市再生機構UR)によって都営浅草線に直通する北総鉄道敷設とともに開発が進み、1979年から入居が始まった。純農村地帯を大規模に開発しているため、市街化区域に隣接して豊かな田園が広がり、整然とした都会的街並みと、梨に代表される農産物の産地という二つの顔を併せ持つ。

     しかし、ニュータウン開発は計画が大幅に縮小され、民間開発の導入、市街化区域に隣接する調整区域の乱開発、急速な高齢化、さらに一番の発展の阻害ともなっている北総鉄道の異常に高い運賃と、抱える課題は多い。

     私が議員になった約20年前は、県・URが民間企業にニュータウンの開発をさせるという、いわゆる「民間卸」に方向転換した時期だ。利益を優先させる高密度の開発が起こり、景観に配慮したゆとりある街並みという、ニュータウンのうたい文句が崩されそうになった。そこで私は、地域住民が知らない間に住環境を変えられるのはおかしいという問題意識(後に「市民参加」という取り組みとなった)と、住民だけが置いてきぼりにならないための情報発信を自らに課すという使命感をもって立候補した。

     この建築紛争がきっかけに白井市は2004年、千葉県初の「まちづくり条例」を制定。新たな開発をする事業者に、事前に説明会や意見聴取を義務付け、住民が主体的に地域の街並み形成に参画するための手続きなどを定めた。

     これと同時期に、市民自らが市政に参画するための手法や、市・市民が協働して事業を進めることを推進する「市民参加条例」も制定された。「市民参加・協働のまちづくり」は、以来、市の総合計画の中でも中核的な位置づけとなっている。

     しかし、条例が制定されたからOKというわけではもちろんない。折に触れて検証し、必要と思えば改善を提言していくことが大事だ。市民のためのまちづくりと市民参加はハード面、ソフト面問わず、すべての分野の根本と言える。私は、議員として、絶えずこのことを念頭に、活動している。

     さらに議員としてもう一つ意識していることは地方議会の在り方だ。市長も市議も、市民から選ばれる二元代表制の地方自治にあって、地方議会は国とは違い与党も野党もない。それぞれが市民に対して説明責任を負う。議会対市長という向き合い方をしなければ二元代表制とはいえない。

     ところが、執行部も議会自らもそれを勘違いし、国の構図をそのまま地方自治体に持ち込んでいるように見える。議会は予算や条例、人事案件すべてにおいて最終決定する権限を有すると同時に、最後の砦でもある。合議体として十分に審議し、おかしければ修正するか反対するという是々非々の行動こそ地方議会に求められている。

     今の白井市議会は、議会運営で熟議を経て結論を出そうとする良い面を持っているので、もっと市民に開かれた議会を目指した改善が可能なのではないかと思っている。

     しばた・けいこ 1958年生まれ。早稲田大法学部卒。81~86年東京銀行本店・ニューヨーク支店勤務。99年白井町議。2001年市制施行に伴い市議。現在4期目。

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