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はやぶさ2

探査機「はやぶさ2」がリュウグウで試料を採取して持ち帰る6年の旅を完遂。分析や次のミッションを解説。

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太陽からの距離によって速度が変わる?

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 Q はやぶさ2は「太陽からの距離によって速度が変わる」そうですが、イオンエンジンの原理と太陽からの距離、どう関係あるのでしょうか?(大沼枯月・13歳)

 

 A はやぶさ2の太陽の周りを回る速度は、軌道上の位置によってかなり変わります。太陽に近いと速度が速くなって、最も速いと秒速33キロくらいになります。これは時速にすると12万キロになります。太陽から遠くなると速度は遅くなり、最も遅いときは秒速約23キロ(時速約8万3000キロ)になります。

 「太陽からの距離によって速度が変わる」というのは、天体の軌道運動の性質です。太陽の周りを公転している惑星や小惑星、彗星のような天体では、その軌道の形は楕円形をしています。惑星の場合、軌道は円形に見えますが、詳しく調べてみると円ではなくて楕円です。楕円というのは円をつぶしたような形ですが、太陽の周りを楕円軌道を描いて天体が公転する場合、太陽は、その楕円の中心ではなくて中心から少しずれたところにあります。専門的な言葉でいうと「楕円の焦点」と呼ばれるところに太陽はあります。

 その場合、天体は公転するときに太陽に近づいたり遠ざかったりしますが、太陽に近づいたときは速くなり、遠ざかると遅くなります。これが探査機の速度が太陽からの距離によって変わるということにも言えます。

 イオンエンジンでも普通の化学エンジンでも、ガスを噴射することで、その瞬間に探査機の速度を速くすることができます。しかし、もし時間が経って探査機が太陽から遠ざかるようなことになると、速度は減速してしまうことになります。でもイオンエンジンを噴射したことで、軌道そのものも少し変えられているのです。


 探査機「はやぶさ2」の旅や機体のこと、小惑星リュウグウの素顔、太陽系探査のこれからなど、なんでもQ&Aを紹介します。「!」や「?」がいっぱい見つかるはずです。このコーナーは、日本惑星協会の「『はやぶさ2』どんなことでも質問 ” 箱 ”」から許可を得て転載しています。質問がある場合は、同協会のウェブサイトから投稿してください。

【はやぶさ2】

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