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科学取材の経験が豊富な青野由利専門編集委員のコラム。

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サマータイム幻想=青野由利

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 欧州や北米に住んだことのある人、夏に旅したことのある人は、「サマータイム」と聞くと、わくわく感がよみがえるのではないだろうか。

 かくいう私もその一人。いつまでも暮れない夏の日、ゆるゆる散歩したり、カフェで本を読んだり。日本も導入すればいいのに、と思ったことは何度もある。

 でも、残念。それはきっと幻想だ。サマータイムの心地よさは、高緯度で、夏でも夕方が涼しく、湿度も低い地域ならではのものだからだ。

 サマータイムが意味を持つのは、もちろん、地球の自転軸が公転面に対し約23・4度傾いているからだ。このため緯度が高い地域ほど夏の日の出は早く、日没は遅くなる。日が沈んだ後の薄明の時間も高緯度ほど長い。こうした地域は冬に日が短いだけに、日照を有効活用しようと夏には一日の開始を早めてきた。

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