今年1月、第1回大藪春彦新人賞に選ばれた赤松利市さんは61歳(当時)で住所不定、無職。ホームレスの経験もあるという経歴が目をひいた。その赤松さんが底辺の人間を描いて最初こそおとぎ話のような読み心地を漂わせながら、虚無に突き落とす透徹したノワール小説をひっさげて単行本デビューした。タイトルを『鯖(さば)』(徳間書店)という。
和歌山・雑賀崎(さいかざき)を出自とする一本釣り漁師船団がいた。かつては栄えた船団も65歳の船頭を筆頭に今はたった5人。電気も水道もない孤島を拠点に、決まった料理店に漁獲を卸すと飲んで遊ぶ。家族もいないその日暮らしで年を重ねてきた。彼らに鯖を使った中国相手のビジネスが飛び込んできた。資金を出すのはIT企業、事業を進めていくのはビジネスパートナーの中華系カナダ人の女--。
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