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米国

「人と人との絆、強化を」 ハガティ米大使の寄稿全文

 ハガティ駐日米大使が8月31日で就任1年を迎えたのを機に、日米関係についての見解を毎日新聞に寄稿した。和訳全文は次の通り。

    首脳同士の絆で日米同盟は強化された

     駐日大使として来日し1年が過ぎた。上院の承認公聴会、ホワイトハウスでマイク・ペンス副大統領立会いの下、行われた就任式、家族を伴っての成田空港到着といった手続きを経るなか、大統領の代理を務めることがどれほどの名誉であるか、より鮮明になった。そして1年前の今日、天皇陛下に信任状を奉呈したとき、駐日大使を務めることの重責をはっきりと感じた。この瞬間から、現在世界で最も重要な2国間関係の舵を取る私の仕事が始まった。

     家族にとっては、新たな友人をつくり、豊かな文化を経験する、人生を一変させるような素晴らしい旅の始まりだった。私にとっては、20年以上前の日本勤務時代の良い思い出をよみがえらせる里帰りだった。家族も私も、今後、日米両国とこの地域にとって素晴らしい機会が待っているとはっきり感じながら、日本での生活を送っている。

     私が日米の将来を楽観しているのは、我々を結びつけている強固で重要な関係があるからだ。トランプ大統領と安倍首相は、仕事の上で素晴らしい関係を築いただけでなく、さらに重要なことに、個人的にも強い絆で結ばれている。昨年11月のアジア歴訪で大統領が最初に日本を訪問したとき、我々はその絆を直接目にすることができた。この1年、ペンス副大統領、ポンペオ国務長官、マティス国防長官等、多くの閣僚が日本を訪れた。こうした交流により、個人的なレベルで両国の連携は強化されている。この1年の複数回に及ぶ首脳同士の会合と協議を通じ、両国の特別な絆と揺るぎない日米同盟は強化された。

     両国の連携により、北朝鮮の核開発計画がもたらす脅威への取り組みが大きく前進している。昨年私が着任した直後には、北朝鮮のミサイルが日本上空を通過していた。今は世界の安全が高まる道筋が見え始めている。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が合意した、北朝鮮による最終的で完全に検証された大量破壊兵器計画の放棄に向けた我々の決意が揺らぐことはない。この重要な目標を実現するにあたり、日本ほどふさわしいパートナーはいない。

    引き続き拉致被害者返還を迫る

     大統領と私が安倍首相に約束したように、米国は引き続き北朝鮮に日本人拉致被害者全員の返還を迫っていく。私は大使公邸で拉致被害者のご家族と面会し、大統領は昨年11月の来日時にご家族から(拉致についての)悲惨な話を聞いた。我々は拉致被害者全員の帰国実現に向け最善を尽くす。

     日米はこの1年、サイバーセキュリティー、テロ対策、知的財産権、女性の起業、宇宙探査など、世界の重要な問題に取り組んできた。我々は、より緊密かつ効率的に協力する新たな機会を模索している。相互運用可能な最先端の防衛装備品を調達する手続きの簡素化から、インド太平洋地域の新興国向けインフラ金融で新たなオプションを提供する日米連携まで、我々は手を携えて、地域の平和と繁栄確保に向け、まい進している。

     日米の企業は、両国経済の繁栄促進につながる、重要な投資決定をしている。日本企業はトランプ大統領の歴史的な減税、規制緩和、経済的自由への支援が、記録的な成長の機会を生み出していると理解し、対米投資で引き続き主導的役割を果している。我々は日本の継続的な対米投資を歓迎する。米国企業の対日投資規模は世界でも群を抜いているが、今後もこの強固な基盤をさらに拡大するために、米国企業がさらなる対日投資を検討するよう積極的に促している。

    日米の通商関係を揺るぎないものに

     人と人との絆の強化は、大使としての私の最優先課題の1つだ。この1年、私は北海道から沖縄まで日本各地を訪れた。家族と旧中山道を歩き、さまざまな地方の名物料理を堪能した。世界有数の美しい博物館、神社仏閣、庭園を訪れ、魅惑的な日本の歴史と文化への理解を深めた。

     私の最大の楽しみの1つが、日本の若者に会うことだ。今年6月、小池東京都知事と共に“Go for Gold”キャンペーンを開始した。これは、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、米国の外交官やオリンピック選手を都内200校以上に派遣して、生徒や教師と交流してもらうプログラムだ。

     危機の時にも、日米は常に結束してお互いに助け合う。先日の西日本豪雨で多くの方が犠牲になったと伺い、とても心が痛んだ。被災地支援には、多くの米軍兵士や米国領事館職員がボランティアで参加した。我々はまた、米国民を代表して救援活動に支援金を提供した。昨年ハリケーン・ハービーなど同様の災害が米国を襲ったとき日本が支えてくれたように、米国は今も、そして将来も日本を支援する。

     駐日大使としての2年目には、安全保障同盟や国民同士の絆のように、日米の通商関係を揺るぎないものにしていきたいと思う。貿易と投資の拡大で協力することで、日米両国は経済成長と雇用創出を強化し、将来も両国民の繁栄を守ることができる。日本での1年目は、有意義でやりがいのある、忘れられないものになった。大使館・領事館職員、日本で暮らす米国市民、日本の皆さんに深く感謝する。

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