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池内紀・評 『ゲッべルスと私 ナチ宣伝相秘書の独白』=ブルンヒルデ・ポムゼルほか著、森内薫ほか訳

 (紀伊國屋書店・2052円)

すべてを可能にした原因は無関心

 ヨーゼフ・ゲッべルスは、一九三三年三月、ヒトラー政権誕生の二カ月あまりのち、国会議事堂炎上事件で物情騒然とするなか、新設された宣伝省大臣に就任した。ときに三五歳。

 宣伝省とは、聞き慣れない名称だが、正確には「国民の啓蒙(けいもう)と宣伝(プロパガンダ)のための帝国省」。ながらく反共産主義、反ユダヤの超過激集団とみなされていたナチスは、政権につくやいなや、「ナチス革命」をひろく訴えるためにも、国民啓蒙の部局が必要と考えたのだろう。おりしも国会では、ヒトラーへの全権委任法案の議決を目前にしていた。党幹部は、才気煥発(かんぱつ)で、おそろしく演説のうまい若手を大臣に抜擢(ばってき)した。

 就任直後の演説の有名なくだり。「宣伝の秘訣(ひけつ)は、いかにも宣伝らしくではなく、相手にそうと気…

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