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バイロイト音楽祭 絶賛を浴びるティーレマン 行きすぎた「読み直し」揺り戻す

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TPOに厳しいドイツも今年の酷暑に上着を脱ぐ姿が多い=バイロイト祝祭劇場前で、梅津時比古撮影
TPOに厳しいドイツも今年の酷暑に上着を脱ぐ姿が多い=バイロイト祝祭劇場前で、梅津時比古撮影

 作曲家、リヒャルト・ワーグナーの意図を開示する音楽祭として、ワーグナーの楽劇(オペラ)だけを上演するドイツ伝統の「バイロイト音楽祭」。毎夏、ひとつの演目が装いを変え、その新演出が大きな注目を浴びる。バイロイトでの新演出が世界のオペラに「読み直し」の方向性を与えてきたからだ。

 「読み直し」とは、社会学、心理学、哲学、美学、時代のモードなど、現代の先端のさまざまな視点から作品をとらえ直すもの。それによって過去の作品も、「今」の問題として活性化される。バイロイトはその過激なまでの拠点である。

 しかし今夏の音楽祭(7月25日~8月29日)は珍しく演出より音楽(演奏)に話題が集まった。今回のプレミエ作品は《ローエングリン》。シャロンによる新演出は、救う者としてのローエングリンと救われる者としてのエルザの価値観を逆転させるなど(8月18日付本紙朝刊「新・コンサートを読む」参照)、「読み直し」に満ちていたのだが、青を基調にした舞台が見た目におとなしかったせいもあり、多くの聴衆には「落ち着いた…

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