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記者の目

西日本豪雨と国の破堤防止対策 「耐越水堤防」封じる茶番=福岡賢正(熊本支局)

決壊した小田川の堤防。天端は舗装されていた=7月8日、本社ヘリから加古信志撮影

 西日本豪雨でまた越水によって堤防が決壊(破堤)し、岡山県倉敷市真備町で多くの人命が失われた。国はかつて推進した越水に一定時間耐える堤防(耐越水堤防)の整備を封印したまま、いつまでまやかしの対策を続けるのか。

 2015年9月に茨城県常総市で起きた鬼怒川の破堤災害を受け、私は同年10月8日の本欄で「国は越水に強い堤防の整備に取り組め」と訴えた。2カ月後、国の諮問を受けた社会資本整備審議会も「越水等が発生した場合でも決壊までの時間を少しでも引き延ばすよう堤防構造を工夫する対策」の推進を答申し、国は越水の恐れが高い1級河川の約1800キロを20年度末までに補強する「危機管理型ハード対策」に着手した。

 このため私はてっきり、国が「フロンティア堤防」や「難破堤堤防」の名で1997年から推進した耐越水堤防の整備に再び取り組み始めたと思っていた。「再び」というのは、ダム計画に反対する市民団体が耐越水堤防をダム不要論の根拠として主張し始めると、国は02年7月に突然、整備計画を全廃したからだ。

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