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記者の目

西日本豪雨にみる水害対策 複合的連鎖へ想像力を=高尾具成(阪神支局)

西日本豪雨で大きな被害のあった広島県坂町小屋浦地区。上流の砂防ダムが崩壊し、土石流が襲った天地川沿いには、1907(明治40)年7月の土石流の惨事を伝える水害碑(右端)があった=8月4日、高尾具成撮影

 西日本豪雨は、異常気象の影響があるとはいえ、これまでの防災・減災対策が十分機能しなかったことを浮き彫りにした。避難対応などを改めて見直す必要がありそうだ。大切なのは、災害の複合的な連鎖を想定することだろう。東日本大震災後、「大地震と津波」がセットで広くイメージされるようになったが、「豪雨と(河川)氾濫、土砂災害」も素早く頭に思い浮かべる事柄として定着させるべきではないか。さらに周囲の状況に応じて危険を想像する、個々人の柔軟な発想力を養いたい。

 私は東日本大震災後、被災した三陸沿岸部の支局で2年間取材した。西日本豪雨の被災地、広島や岡山でも取材しながら、東日本大震災の津波被災者の証言と共通点が少なくないことに気づいた。避難途中の車で氾濫や土石流などに巻き込まれていたことや、犠牲者の多くが高齢者ら要援護者だったことが津波の被害と重なって見えた。時間差を置いて急襲した豪雨後の氾濫や土砂災害に想像力が及ばなかった点も似通っている。

 岡山県倉敷市真備町地区では堤防が決壊し、地区の27%にあたる12平方キロが浸水して51人が犠牲になった。同町服部で近隣の約15世帯に声を掛け、無事の避難につなげた中尾研一さん(69)に聞くと、「まさに地震の後の津波のように、豪雨による川の氾濫を心配しました」と語る。中尾さんは付近を流れる小田川支流の状況に気を配っていた。「経験則で判断せずに水門や排水ポンプを管理する住民らから危険情報を集め、共有…

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