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台風21号

「ハワイの結婚式が…」孤立関空、救助始まる

関西国際空港から神戸空港に向かう船に乗り込む人たち=2018年9月5日午前7時10分、小松雄介撮影

 台風21号による高潮で水没し、3000人以上が孤立した関西国際空港(大阪府)。一夜明けた5日早朝、利用客らを高速船やバスで関空島から運び出すピストン輸送が始まった。空港は停電の影響で冷房がつかず、携帯電話もつながりにくい状況が続いた。情報を得られず不安な夜を過ごした旅行客らは、疲れ切った表情を浮かべた。【蒲原明佳、土田暁彦、矢追健介】

 関空島と神戸空港を結ぶ高速船「ベイ・シャトル」の運営会社は5日未明、孤立した人たちを救助する臨時船の運航を決めた。午前5時過ぎ、高速船の乗り場に向かうバスターミナルには、整理券を求める人の長い列ができた。

 ハワイで結婚式を挙げる予定だった名古屋市の山本拓人さん(40)と妻裕美さん(37)も空港に取り残された。ターミナルに並んだ裕美さんは、「2月に式を予約し、ずっと楽しみにしていたのに。今はとにかく早く帰りたい」とうなだれた。

 神戸市の女性(38)は最前列に並び、始発の整理券を手に入れた。母(67)と姉(40)の親子3人で初めてカナダに旅行する予定で、航空会社からこの日夕に中部空港を飛び立つ便への振り替えを打診された。「家族との思い出になる旅。どうしても始発に乗って関空から出たかったので、安心した」と話した。

 関空では夜間も、浸水の影響による停電が続いた。第1ターミナル棟2階の保安検査場近くのエリアに誘導された利用客らは冷房がつかない中、ソファやビニールシートを敷いた床に横になり、蒸し暑い一夜を余儀なくされた。関空島に設置されたアンテナが破損し、携帯電話も通じにくく、スマートフォンを片手にぼうぜんとする人もいた。

 徳島県小松島市の農業、松田敏則さん(69)は、空港職員から配られた5枚ほどのビスケットなどで一夜をしのいだ。妻静代さん(69)と台湾や沖縄の離島を巡る5泊6日のツアーが中止になったうえ、徳島に住む長女からは、2ヘクタールの畑が台風で大きな被害を受けていると聞かされた。松田さんは「畑のことで頭がいっぱい。早く関空を出たいです」と疲れをにじませた。

 言葉が通じず、空港職員の対応に不満をぶつける外国人旅行客の姿も。2歳の娘に飲ませるミルクを探していた中国人の若い夫婦は、「案内所で聞いても『No』と言われるばかり。十分な情報を得られず、不安で仕方がない」と嘆いた。

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