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踏み跡にたたずんで

ビニールハウスで雨宿り=小野正嗣

 空が割れて、そこから落ちてきた。

 そう聞こえた。

 誰が、と訊(き)き返したかったが、誰に問えばよいのか困った。

 見る見るうちに空が暗くなり、雷鳴が遠くで響いていると思っていたら、雨が降り出した。小雨だったが、そのまま激しい雷雨になるのは時間の問題だった。

 軒を借りられそうな家は周囲には見あたらなかった。木々に覆われた山の斜面が見えたが、あまりに美しいものが喚起する恐怖が具現化されたかのような、ゆらめく白い靄(もや)に覆われた、というか、まといつかれた暗い林に入っていく気にはなれなかった。

 その手前には、まったく同じ形のビニールハウスが3棟、並んで立っていた。ビニールの表面に大量の砂利で…

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