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木語

ゲイツ氏の褒め言葉=坂東賢治

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     マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が第一線を退いた後、熱心に取り組むのが次世代原子炉の開発だ。劣化ウランを用い、燃料交換せずに最長100年の連続運転が可能という夢のような構想だ。

     環境負荷が少なく、貧困解決にも役立つと考えているそうだ。そのパートナーが中国だ。昨秋、天津市に自身が持つテラパワー社と中国核工業集団との合弁企業を設立し、実用化を目指している。

     ゲイツ氏は習近平国家主席や李克強首相とも会談し、昨年11月には中国工程院(中国工学アカデミー)の外国人会員に選ばれた。中国に近い米実業家の代表格ともいえる。

     そのゲイツ氏が3日の人民日報に寄稿した。題は「アフリカ諸国は中国の成功の道に高い関心を持つ」。「中国は過去数十年に他の国の追随を許さない成果を上げ、数億人を貧困と疾病の悪循環から救い出した」と脱貧困での中国の実績を称賛した。

     3、4日に北京で開かれた「中国アフリカ協力フォーラム」。中国は「新植民地主義ではないか」「過剰債務のワナに陥りかねない」といった欧米メディアの批判を気にしていた。寄稿掲載には著名な外国人も評価していると内外にアピールする意味があった。

     米CNNの報道も中国を喜ばせた。エチオピアを取り上げ、中国の投資で高層ビルや鉄道が建設され、変貌する首都アディスアベバや中国企業に雇用された現地の労働者の声などを肯定的に伝えていたからだ。中国外務省の報道官がわざわざ定例会見で取り上げ「CNNのような国際メディアの客観的で公正、バランスの取れた報道を歓迎する」と答えたほどだ。

     40年前に1人当たり国内総生産(GDP)がサハラ以南のアフリカ諸国と変わらなかった中国が大きな発展を成し遂げたことは事実だ。アフリカでの世論調査では欧米より中国に好感を持つ国も多い。

     「過剰債務のワナ」といった批判に誇張がないわけではない。例えば、中国のアフリカへの直接投資はまだ、米英仏には及ばない。ただ、その伸びは急速だ。習氏は今回、600億ドル(約6兆6000億円)の支援を表明した。アフリカへの影響力拡大の意図があるのは確かだろう。

     民族主義的論調で知られる「環球時報」紙は欧米の批判を「雑音」と表現し、「彼らは中国が西側を超え、アフリカのためにさらに良い機会を提供することを心配しているのだ」と評した。もう少し素直に耳を傾けてはどうか。(専門編集委員)

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