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社説

関西空港の台風21号被害 もろさ補う対策を早急に

 台風21号による高潮で大阪湾にある関西国際空港が浸水し、機能不全に陥った。非常に強い勢力だったとはいえ、国際空港というにはあまりに脆弱(ぜいじゃく)な実態が浮かび上がった。

     関西空港は1994年、沖合5キロの海上を埋め立てて建設された。対岸とは全長3・8キロの連絡橋で結ぶ海に浮かぶ人工島だ。

     暴風を伴う台風の通過によって高潮が発生し、大阪府の潮位は過去最高の329センチに達した。この影響で2本ある滑走路のうち1本が冠水し、ターミナルビルも浸水した。

     さらに強風で流されたタンカーが連絡橋に衝突し、橋桁が破損して通行できなくなり空港は完全に孤立した。利用者ら約8000人が一夜を明かす事態となった。海上空港特有のもろさを改めて露呈させた。

     もともと関西空港は軟弱な地層の上に造成されており、開港以来、地盤が3~4メートル沈下している。建物はジャッキで持ち上げている。

     このため、台風などの災害時の冠水などで「孤島化」する危険はかねて指摘されていた。2004年の台風16号ではフェンスや道路が損壊し、護岸を2・2メートルかさ上げした。

     大阪府で293センチを記録した第2室戸台風(61年)と同等の潮位の波を防げる想定だったが、今回はそれを超え、被害も大きかった。徹底した検証が欠かせない。

     南海トラフ巨大地震が発生した際の想定では「浸水の可能性は極めて低い」としている。だが、地震の規模によっては今回の高潮を超える被害も想定されよう。

     運営会社は、改めて護岸や止水壁などで波を完全に防ぐような対策を講じ、弱点を補うべきだ。

     また、「孤島化」した場合に備え、避難場所や備蓄の確保は十分かなどの点検も求められる。

     関西空港の昨年度の旅客数は約2880万人、発着回数は約18万8000回と過去最高を更新している。「西の玄関口」として海外とつながる大量輸送・物流拠点である。

     閉鎖が長引くと、旅客数を押し上げてきたインバウンド(訪日外国人)景気に水を差すだけでなく、企業活動など経済にも多大な影響を及ぼしかねない。緊急時には大阪(伊丹)や神戸など近隣空港を活用する連携態勢の検討も必要ではないか。

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