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シネマの週末・この1本

判決、ふたつの希望 中東社会の分断激烈

 建築会社の現場監督ヤーセル(カメル・エル・バシャ)が、ある住宅のベランダの水漏れを修理する。ところが住人トニー(アデル・カラム)は感謝するどころか、真新しい排水管を木っ端みじんに。ヤーセルは悪態をついて去り、憤慨したトニーは執拗(しつよう)にヤーセルに謝罪を求めていく。

 この緊迫した序盤からぐいぐい引き込まれる本作は、住宅街でのささいなトラブルが驚くべき大問題に発展していく中東・レバノンの映画だ。トニーはキリスト教徒のレバノン人で、ヤーセルはパレスチナ難民。どちらも仕事熱心で家族思いだが、歴史、民族、政治のわだかまりが両者の対立を複雑にする。それをメディアが報じ、大統領が仲裁に乗り出しても事態は収まらず、国を揺るがす大暴動が発生する。

 多くの日本人はレバノンの国情をほとんど知らないだろうし、アリエル・シャロン(イスラエルの元首相)や…

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