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舞台をゆく

兵庫県・淡路島(谷崎潤一郎「蓼喰ふ虫」) 神話の海と人形浄瑠璃

 作家、谷崎潤一郎は東京・日本橋で生まれ育ち、関東大震災の後、関西に移住した。主に現在の神戸市内で居を移しながら、関西の文化と風土が匂い立つ数々の名作を生む。「蓼喰ふ虫(たでくうむし)」は1928(昭和3)年から29年まで、「大阪毎日新聞」と「東京日日新聞」で連載された新聞小説。男女間の心のゆらぎが描かれる中、物語の空気を変えるのが、主人公が「淡路人形浄瑠璃」を見にゆく場面だ。時代が90年近く下った淡路島を訪ねてみた。【三輪晴美】

 主人公の要(かなめ)と美佐子は性愛による結びつきがない夫婦で、妻には夫公認の恋人がいる。夫婦は別れることで合意しているものの、はっきりと終止符が打てずに時が流れる。物語の中盤、事情を知らない美佐子の父に誘われるまま、要は人形浄瑠璃を見るため淡路島を訪れた。

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