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北海道震度7

未曽有の揺れ直撃 生活基盤、根こそぎ(その2止) 電気も水道も鉄道も

 196万人が暮らす札幌市では、停電により市民生活に大きな影響が出た。信号が消えた交差点では警察官らが交通整理に追われ、車は速度を落として慎重に走っていた。鉄道もストップし、歩いて職場などへ向かう人の姿が多く見られた。

     札幌市北区の銀行員、田中奈穂美さん(25)は「6時ごろ会社から早めに来てくれと連絡があり、自宅から歩いて来たが信号が動いていなくて怖かった」と話した。JR札幌駅では電光掲示が消え、周辺には大きなバッグを持った観光客らが集まり、駅員が対応に追われていた。

     大学のゼミ旅行で3日から道内を訪れていた大阪府の近畿大生、守屋佳輝さん(21)は「2泊3日の予定だったが、台風で関西空港が閉鎖になり、急きょ帰りの便を変更した。泊まる所を探しているが見つからず待機しているしかない」と戸惑った様子。

     札幌市営地下鉄も運転を見合わせた。同市東区の男性会社員(35)は「地下鉄が止まっていて30分以上歩いて来た。社員に連絡する必要があるがメールが使えるか分からない」と疲れた表情だった。

     電気が止まり、市民らは不安な朝を迎えた。札幌市中央区の主婦(35)は朝食の支度ができず、午前6時ごろ食料を調達しようとコンビニエンスストアを何軒か回ったが、全て売り切れていた。「携帯電話のポータブル充電器も使い切った。充電が切れたら情報を得る手段がなくなる」と不安そうに語った。

     札幌市豊平区のヤマダ電機札幌月寒店では生活用品などを買い求める人の行列ができた。電池やスマホ用のモバイルバッテリー、携帯ラジオ、紙オムツなどを買う客が多く、同区平岸の川村裕子さん(41)は「電池と水だけでも確保できるようなので良かった」とほっとしていた。

     札幌市清田区里塚の住宅街では民家の敷地や道路が帯状に陥没。道路に大きな亀裂が入って傾いた建物が多数あった。里塚中央町内会役員の館山利夫さん(69)によると、現場は以前沢があり、埋め立てた地域だという。

     付近では液状化も発生し、道路が泥に覆われた。里塚1の2では道路が数十センチの高さまで泥に覆われ、車のタイヤや倒れた自転車が埋まった。近くに住む本間勇男(いさお)さん(74)は「地震が起きてすぐ外に出たら、坂の上からすごい勢いで泥が流れてきた」と語った。

     清田区の運送会社では、地面から噴き出した土砂で航空貨物のコンテナ3個などが約150メートル流された。

     一方、全便が欠航となった千歳市の新千歳空港はターミナルビルの大半が閉鎖され、待機する人のために1階到着ロビーの一部を開放して対応した。

     夫婦で北海道を訪れていた群馬県高崎市の会社員、相馬真吾さん(42)は札幌市から乗り合いタクシーで空港に着いた。「札幌のホテルの9階に泊まっていたが、崩れそうなほど揺れた。電車が動かずホテルの予約も取れない。ここで電気が復旧するのを待つしかない」と疲労感をにじませた。

     道内では、工場の操業停止や店舗の臨時休業など企業活動にも影響が広がっている。トヨタ自動車は自動車部品を製造する子会社(苫小牧市)の操業を中止。三菱製鋼室蘭特殊鋼(室蘭市)の工場では一時小規模な火災が発生し、稼働を停止した。

     ローソンは道内の半数弱に当たる300店舗超で休業。日本郵便は北海道宛ての「ゆうパック」の引き受けを停止した。【土谷純一、阿部義正、横山三加子】

    泊、外部電源一時喪失 発電機で対応後、復旧

     原子力規制委員会などによると、北海道電力泊原発(北海道泊村)では地震による停電で一時、外部電源を喪失した。

     非常用ディーゼル発電機6台を起動して電気を供給し、燃料プール内の核燃料の冷却を維持した。午後1時に全面復旧した。原発周辺の放射線測定で異常値は確認されていない。

     泊原発1~3号機は運転を停止しており、原子炉内に核燃料は入っていない。

     また、東北電力東通原発(青森県東通村)、同女川原発(宮城県女川町)、日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)など東北地方の原子力施設に異常はないという。【鈴木理之】

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