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北海道震度7

どうか助けて、祈り 光無き夜、寄り添い(その1) 厚真、懸命の捜索続く

胆振東部地震

 震度7の猛烈な揺れで土砂崩れが発生し、家屋がのみ込まれた北海道厚真町の現場では安否不明者の捜索が続いた。余震の心配がある中、大規模停電で明かりの消えた街では市民らが不安な一夜を過ごした。

     厚真町吉野の土砂崩れ現場では、警察官や消防隊員らによる捜索活動が夜を徹して行われた。6日夜にはレスキュー隊員も到着し、救助犬を使った捜索も始まった。大量の土砂などを取り除くため、夜が明けると、自衛隊員らが次々と重機を運び込んだ。発生から丸一日が経過し、現場では懸命な捜索が続いている。

     民家があった場所に散乱するつえや布団、衣服、砕けた屋根や柱が土砂崩れのすさまじさを物語っていた。辺りには家屋のがれきや木々、土砂が山のように積み重なり、土砂崩れの影響か、湿った土の臭いが立ちこめていた。

     闇に包まれた6日夜の捜索は投光器の明かりを頼りに行われた。スコップで土砂を掘り起こし、柱やはりなどを手作業で取り除いていく。鈴虫の鳴き声と投光器のエンジン音が響く中、自衛隊員らが一時手を止め、固唾(かたず)をのんで救助犬による捜索を見守る。「1軒目、生体反応なし」。一瞬の沈黙の後、レスキュー隊員は次の捜索現場に向かい、自衛隊員らは作業を再開した。

     「メキメキメキ」。木を重機で取り除く音が時折聞こえてくる。裏山が崩れ落ちた現場周辺には多くの木が残り、捜索の妨げになっている。重機で通り道を作らなければ、家屋が埋まっている場所まで向かうことができない。

     6日午後11時半すぎには、重機が通り道を作っていた現場に救急車が到着し、被災者とみられる人が担架で運び出されていた。

     悪路も捜索の妨げになっている。厚真町役場から吉野に向かう道路には、確認できただけで4カ所で土砂崩れが起きていた。車1台だけが通れるよう土砂を撤去しているため道幅が狭い。6日夜も自衛隊の重機を運搬する車両が通行できず、立ち往生していた。【片平知宏】

    新幹線再開、改札に列

     地震後にJR北海道は全ての列車を運休していたが、7日午後に北海道新幹線と札幌-新千歳空港間の快速エアポートが運行を再開した。

     北斗市の北海道新幹線新函館北斗駅の待合スペースは、本州方面に向かう列車を待ちわびていた旅行者などでいっぱいに。改札口前にも300人以上が列を作った。

     大阪市から夫婦でツアー旅行中だった井口義彦さん(71)は、函館市内のホテルに宿泊中、地震に遭遇した。「次の日は登別温泉に行くはずがホテルで待機。楽しみにしていた食事も、非常食のカップめんだった」と苦笑い。「停電で情報は入らず、夜中に電話で話した大阪の方が情報があった。もっと(自治体など)地元から情報の提供があれば」とこぼした。帰る予定が1日延びた福島市の大学4年、横尾七海さん(21)も「ホテルではフロントに置いてあるネットの画面を皆で見に行ったが、何度も途切れ途切れだった」と振り返った。

     この日は新千歳空港の国内線運航再開に合わせ、快速エアポートも午後1時20分に運転を開始。ただ30分間隔と本数は通常の半分ほどで混雑が目立った。札幌市営地下鉄や札幌市電も全面復旧した。【山田泰雄、阿部義正】

    動かぬ妹に「がんばった」

     厚真町の土砂崩れ現場では、倒壊した住宅の中から滝本舞樺(まいか)さん(16)の遺体が発見された。

     捜索を見守っていた兄天舞(てんま)さん(17)は「早く出てきてほしいと、それだけを願っていた。『よく頑張ったね』と言ってやりたい」と涙をぬぐった。

     滝本さんの自宅には大量の土砂が流れ込み、数十メートル流された。2階で寝ていた天舞さんは外に投げ出されて足を骨折し、舞樺さんや曽祖母ら3人が取り残された。

    「全力尽くす」高橋知事が厚真入り

     北海道の高橋はるみ知事は7日、多くの死者・安否不明者が出ている厚真町を訪れた。

     町内で最も多い469人が避難する町総合福祉センターで遺族や涙ぐむ安否不明者の家族に声を掛け、手を取って励ました後、「一日も早く元の生活が取り戻せるよう人命を最優先に復旧・復興に全力を尽くす」と語った。

     また、陸上自衛隊のヘリで上空から土砂崩れの現場を視察し、「慣れ親しんだ厚真、安平の緑豊かな林の景色が茶色の土に変わり、衝撃を受けた」と述べた。【福島英博】

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