毎日新聞専門編集委員・与良正男
国民民主党の代表に玉木雄一郎氏が選ばれたというニュースをご存じでしたか?
「知らなかった」「そもそも国民民主党って、どんな政党だっけ」--。そういう人が多いと思います。
恥ずかしがることはありません。自民党の総裁選に比べて、国民民主党の代表選は、新聞やテレビで報道されることが少なかったので当然だと思います。昨秋の衆議院選挙前に旧民進党が分裂した後、どの党がどうなっているのか、大人でもよく分からない人が多いというのが実情でしょう。
毎日新聞が9月1、2日に実施した世論調査で「あなたはどの政党を支持していますか」と質問したところ、国民民主党と答えた人は、わずか1%(政党支持率と言います)。野党の中で2番目に議員が多いにもかかわらず、あまりにも低い数字です。
そして野党第1党の立憲民主党の支持率も9%。自民党は33%でしたから、その差は極めて大きく、「自民党の1強状態」と言われるのも無理はありません。
でも、その結果、国会では安倍晋三総理大臣(首相)や自民党が強引に法律を成立させてしまう場面が目立っています。そうなっているのは、安倍首相や自民党の責任だけではなく、非力で国民にもあまり支持されていない野党の責任も大きいと思います。
ところが、国会を見ていても、立憲民主と国民民主の間は必ずしもしっくりいっていません。来年の夏の参議院選挙では野党が同じ選挙区にたくさん候補者を立ててしまえば、自民党にはなかなか勝てないことは分かっていながら、どこまで互いに協力できるのか、まだ分かりません。
野党同士で足を引っ張り合っていては、国民はますます支持しなくなるのではないでしょうか。協力すべき時は協力する。まずそれが重要です。
政治部デスクなどを経て2004年から論説委員。早稲田大学大学院客員教授も務めた。TBSテレビ・ラジオや大阪MBSテレビの報道番組などでコメンテーター。1957年生まれ。