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論の周辺

創造の基盤を照らし出す

 この夏、評論家の三浦雅士さんが刊行した『孤独の発明 または言語の政治学』(講談社)は、驚くべき構想力を持つ論考だ。人間という存在の根源を、文学や舞踊、演劇といった芸術はもちろん、宗教、政治、経済、さらには文明論的な面からも探っている。その際、言語学から哲学、認知心理学、人類学、動物行動学にまで及ぶ古今東西の思想、研究成果が広く渉猟される。いくつもの問題提起のうち、ごく限られたポイントにとどまるが紹介したい。

 出発点となるのは、生物にとっての「視覚」の獲得であり、それと密接に関わる人間にとっての言語の獲得だ。約5億年前のカンブリア紀、生命界に発生した「視覚革命」がもたらしたのは「距離という武器」だったという。「視覚を持つ生命すなわち動物は以後、対象から離れることによって対象について思考する余裕を持つようになった」

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