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関空

重要施設、台風21号で機能せず 地下配置で浸水

滑走路が浸水した関西国際空港=2018年9月4日午後5時55分、本社ヘリから幾島健太郎撮影

 台風21号の高潮被害で一時閉鎖された関西国際空港は、防災センターや変電設備といった重要施設を津波や高潮の影響を受けやすいターミナルビルの地下に配置していた。いずれの施設も浸水し、利用客らに被災状況を知らせる館内アナウンスを流せなかったり、広範囲で停電したりする事態を招いた。防災の専門家は「電源施設は高層階に設置するなど、抜本的な浸水対策が必要だ」と注文する。

 運営会社の関西エアポートによると、第1ターミナルの地下1階には変電設備6基を配置。台風21号で地下部分が浸水し、3基が被害を受けた。この影響で第1ターミナルの大部分で電気が使えなくなり、空港の全面再開に向けた大きな足かせになっている。

 同じ地下1階の防災センターも浸水で設備が故障して館内アナウンスを流せなくなり、孤立した空港から出るための船の運航見通しなどを多くの利用客に伝えられなくなった。

 関西エアポートによると、ターミナルビル地下の水は排水作業でほぼ取り除いたといい、現在は洗浄や清掃とともに補修が必要な設備の特定が進む。

 関西エアポートの山谷佳之社長は8日の記者会見で「日本の空港や大きなオフィスビルは電気施設などがおおむね地下にある。津波も高潮も、かさ上げした護岸で守られている。通常の大雨なら排水ポンプが機能すれば全て排水できた」と述べ「想定外」を強調したが、インフラの重要設備の水没は重大事案につながる。2011年3月の東日本大震災による東京電力福島第1原発の事故は、海抜の低い場所にあった非常用ディーゼル発電機が津波で使えなくなり、原子炉を冷却できなくなったことで起きた。

 関空と同様に人工島にある中部国際空港(愛知県)の護岸は平均的な海面から3・8~5・8メートルの高さだが、南海トラフ巨大地震では6メートルの津波を想定。同空港会社は「高波や津波は護岸を超えることを前提に避難計画を立てている」と説明する。1階の電気関係設備など重要施設の入り口には可動式の防潮板を設置。旅客ターミナルには高所へ誘導する看板を掲げ、屋外に警報サイレンを整備する。

 片田敏孝・東京大大学院特任教授(災害社会工学)は「関空は海上にあり、地盤沈下も進むなど浸水リスクは想定されていた。重要なインフラ設備なのに、水に弱い電気設備を地下に置くのは危機管理として問題がある」と指摘する。【蒲原明佳、山崎征克、芝村侑美】

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