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目は語る

9月 動乱期の浮世絵師・月岡芳年 動き写し出す卓越した画技=高階秀爾

月岡芳年「藤原保昌月下弄笛図」大判錦絵三枚続、1883年

 月岡芳年(よしとし)(1839~92年)と言えば、凄惨(せいさん)な殺戮(さつりく)の場面をどぎついほどの強烈な表現で描き出した「血みどろ絵」の作者という印象が強い。事実、幕末から明治維新にかけての動乱の時代に、歌舞伎の「夏祭浪花鑑」や「東海道四谷怪談」、あるいは講談や軍記物の講釈などの大衆娯楽の世界から特に「殺し」の場面を選び出して絵画化した「英名二十八衆句」や「魁題(かいだい)百撰相」などのシリーズが芳年の名前を「血みどろ絵」と結びつけてしまったことは確かであろう。

 しかし、芳年の画境はそれだけではない。同じ頃、師の歌川国芳から学んだ壮麗な源平合戦図や、当時の人気…

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