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社説

北海道で電力不足が長期化 政府の責任で危機管理を

 地震で被災した北海道電力苫東厚真火力発電所(厚真町)の全面復旧が、11月以降にずれ込む見通しになった。地震発生時に道内の電力消費のほぼ半分をまかなっており、電力不足解消には時間がかかりそうだ。

     地震がきっかけだとしても、道内全域の停電に引き続き、電力の供給不安を招いた北電の責任は重い。

     経済産業省や北電は2割節電を要請している。節電方法や電力の需給状況を丁寧に発信するとともに、発電所の復旧を急ぐ必要がある。

     11日には稚内市で最低気温が氷点下を記録するなど、北海道は冷え込みが懸念される季節を迎えている。高齢者や病人など弱者への気配りが欠かせない。政府は危機管理に責任を持ってあたってほしい。

     経産省によれば、北電は346万キロワットの供給力を確保した。自家発電設備を持つ大手企業の協力や本州からの電力融通などを得て実現した。それでも、地震前のピーク時の需要には約1割不足している。

     電力の需給バランスが崩れると、再び大規模な停電を招きかねない。節電がうまくいかなければ、対象地域と時間帯を決めて電気を止める計画停電も検討されている。

     しかし、実施されれば、市民生活や被災地の復旧活動に大きな影響が出る。ぜひとも避けたい事態だ。

     道内の工場などは、停電解消で生産活動が再開しつつあるところだった。2割の節電要請は厳しいが、電力需要が低下する夜間に増産するなどの対応をとれば、電力需要のピークを下げることができる。

     北電は地震後、道内の太陽光発電所と風力発電所の送電網への接続について、蓄電池設備を持つ設備に限っている。供給量の大きな変動を避ける狙いがあるが、再生可能エネルギーの活用を最大限図ってほしい。

     電力不足を解消するため、停止中の泊原発の早期再稼働を求める声もある。しかし、原子力規制委員会の安全審査では、敷地内に活断層があるかどうかが議論となっている。再稼働はあり得ない選択だ。

     そもそも、今回の電力不足は苫東厚真発電所に電力供給を頼っていたことが招いた。大規模な発電所の集中立地の危うさは、福島第1原発事故の教訓でもある。分散型の電力供給体制の構築こそが重要だ。

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