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旧優生保護法

「被害者救済を」160議会で意見書採択

 旧優生保護法(1948~96年)が障害者らに強いた不妊手術をめぐり、首相や厚生労働相、衆参両議院議長らに対し、被害者の早期救済を求める意見書の採択が地方議会で急速に広がっている。毎日新聞が国会などへの取材を基に集計したところ、今年3月中旬~7月末までの約5カ月弱で全地方議会の約1割に当たる少なくとも26都道府県134区市町の計160議会が採択していた。意見書に法的拘束力はないが、政府や国会による救済制度の創設を後押ししそうだ。

 最初の採択は、宮城県の60代女性が仙台地裁に起こした初の国家賠償請求訴訟の第1回口頭弁論を前にした3月16日、同県議会が全会一致で可決。その後、全国各地に広がった。今後も広がる可能性が高い。

 意見書はいずれも、手術された当事者への補償制度を確立し、国に早期の解決を求める内容。宮城県議会は「一日も早く政治的および行政的責任に基づく解決策を実現すべきだ」と提言。鳥取県議会は「人としての尊厳を踏みにじるもので、看過できない」と批判した。兵庫県議会は「同様の不妊手術を行っていたドイツやスウェーデンでは補償等の措置が講じられた」と海外の事例を引用し、被害者の高齢化を背景に「早急な救済措置」を求めている。

 都道府県別では、強制手術数が2593人と全国最多だった北海道が最も多い30道市町議会だった。

 衆院事務局によると、近年、一度の国会会期中に提出された意見書で件数の多いのは「核兵器廃止に関連する意見書」(151件、2018年)、「ヘイトスピーチに関連する意見書」(111件、15年)。

 地方自治が専門の片山善博・早稲田大教授(政治学)は「5カ月で160という数は多い」と驚き、国の政策決定に詳しい広瀬克哉・法政大教授(行政学)は「国が推進した施策の実行役となった地方自治体の議会が(施策の)被害者の救済を求める意見書を採択した意味は重い」と指摘した。【上東麻子】

旧優生保護法による不妊手術の被害者救済を求める意見書を採択した160地方議会=毎日新聞調べ

【北海道】北海道、札幌市、函館市、室蘭市、釧路市、苫小牧市、芦別市、赤平市、名寄市、千歳市、滝川市、石狩市、北斗市、小樽市、旭川市、留萌市、登別市、伊達市、北広島市、江別市、歌志内市、八雲町、標茶町、江差町、倶知安町、仁木町、余市町、南幌町、上砂川町、栗山町

【青森】青森市

【岩手】盛岡市、二戸市

【宮城】宮城県、仙台市

【秋田】なし

【山形】なし

【福島】福島県、いわき市、喜多方市、郡山市、石川町

【茨城】水戸市、牛久市

【栃木】なし

【群馬】前橋市

【埼玉】埼玉県、さいたま市、飯能市、春日部市、越谷市、戸田市、八潮市、富士見市、三郷市、ふじみ野市、所沢市、新座市、草加市、久喜市、宮代町、松伏町、三芳町

【千葉】千葉市、佐倉市、市川市、松戸市

【東京】東京都、新宿区、文京区、板橋区、墨田区、北区、葛飾区、江戸川区、江東区、中野区、港区、調布市、東久留米市、町田市、清瀬市、多摩市

【神奈川】神奈川県、逗子市、座間市、鎌倉市

【新潟】新潟市、新発田市

【富山】富山県、富山市

【石川】石川県、金沢市

【福井】なし

【山梨】なし

【長野】長野県、長野市、須坂市

【岐阜】岐阜県、岐阜市、大垣市、関市

【静岡】静岡県

【愛知】愛知県、名古屋市

【三重】三重県、四日市市、伊勢市、明和町

【滋賀】滋賀県、大津市、甲賀市

【京都】京都府、京都市、向日市、長岡京市、精華町

【大阪】大阪府、大阪市、堺市、豊中市、茨木市、高石市、四条畷市、阪南市、貝塚市、枚方市、箕面市、大阪狭山市、吹田市、寝屋川市、摂津市、東大阪市、交野市、羽曳野市、八尾市、熊取町

【兵庫】兵庫県、宝塚市、淡路市

【奈良】奈良県、大和高田市、田原本町

【和歌山】和歌山県

【鳥取】鳥取県、鳥取市

【島根】なし

【岡山】なし

【広島】尾道市

【山口】山口県

【徳島】徳島県

【香川】なし

【愛媛】なし

【高知】高知県、宿毛市、高知市、須崎市

【福岡】北九州市、大牟田市、中間市、飯塚市、苅田町

【佐賀県】なし

【長崎】なし

【熊本】熊本県、熊本市、玉名市、菊陽町

【大分】大分県、別府市

【宮崎】宮崎県

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