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SUNDAY LIBRARY

小林 聡美・評『バッグをザックに持ち替えて』『死に支度』

◆『バッグをザックに持ち替えて』唯川恵・著(光文社/1200円)税別

◆『死に支度』瀬戸内寂聴・著(講談社文庫/700円)税別

 この夏は本当に大変な暑さだった。日本のあちこちで40℃を超えるという異常事態。日常の買い物に出るのも命懸けだった。

 そんな中、私は20代の友人2人と、新潟県の秘湯の旅へでかけた。秘湯の宿のスタンプラリーをしている私の渋い夏休みに、快く付き合ってくれたのだった。とはいえ、秘湯の宿だけでは若者にあまりに気の毒なので、ロープウエーで山に登ってみたり、町ぐるみで開催している芸術祭の作品をレンタカーで見て回ったりした。だが新潟も東京と変わらない暑さ。案の定、東京に帰って2日間は廃人状態。おまけに疲労がたたったのか中耳炎にも罹(かか)ってしまった。たった3日間の休暇の末路がこんなことに。暑さ故か私の体力の衰えか。

 中耳炎で廃人の情けない私の心を慰めてくれたのが、まったくの登山初心者だった著者が、ネパールのエベレスト街道をトレッキングするまでを綴(つづ)った『バッグをザックに持ち替えて』(唯川恵)。犬のために引っ越した軽井沢を舞台に小説を書くため、初めて浅間山に登るが、足はガクガク、心臓はバクバク。頂上まで届かずにリタイア。その体験は「辛(つら)い」のひとこと。もう二度と山には登らない、と誓うものの、その後…

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