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北海道地震

生還の願い届かず 28歳会社員犠牲

松下陽輔さん=知人提供

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 北海道南西部の胆振地方を震源とする最大震度7の地震に襲われ、36人が犠牲になった北海道厚真町。その一人、会社員の松下陽輔さん(28)の通夜は12日夜、苫小牧市内で営まれた。「運動神経が良いまっちゃんなら絶対に助かっているはずだ」。仕事仲間は、連絡が取れない同僚の生還を信じていたが、その願いはかなわなかった。

 松下さんは町民吹奏楽団代表の父一彦さん(63)と自宅で土砂にのみ込まれた。

 松下さんは2008年に産業廃棄物処理会社に入社。汚泥を処理する部署に配属され、以来設備の管理やメンテナンスにあたってきた。仕事に必要なフォークリフトや大型自動車免許などの資格を順調に取得し、高校時代から無遅刻無欠席だった。厚真町の自宅から車で約1時間かけて通勤し、雪の降る冬の悪路でも決して遅刻しなかった。

 社内の軟式野球チームにも所属。守備ではセンター、打線では中軸を担っていた。常務で監督を兼ねる畑中洋一さん(62)は、松下さんが急に野球の試合に姿を見せなくなったことを覚えている。理由を尋ねると「チーム内に負けてもいいやという雰囲気がある。そういう野球は好きじゃない」と答えたという。

 畑中さんは「優しくおとなしい性格だったが、内面に強い意志を持っていた」と振り返る。通夜に参列した畑中さんは「あまりにも無情だ」とうつむいた。【一宮俊介】

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