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ふるさと納税

「地域振興になるのに」見直しに自治体困惑

滋賀県近江八幡市のふるさと納税の返礼品をPRするパンフレット。人気の近江牛などが並ぶ=2018年9月13日午後0時25分、蓮見新也撮影

都市部から「廃止」の声

 野田聖子総務相が、ふるさと納税制度を見直し、高額な返礼品で寄付を集める自治体を制度から除外する意向を示したことが、滋賀県内にも波紋を広げている。総務省は返礼品の調達費を寄付額の30%以下にするなど自治体に見直しを求めている中、近江八幡市▽日野町▽愛荘町▽豊郷町--の4市町が規定に反するとしたからだ。ふるさと納税は地方を応援しようと始まった制度のため、総務省に名指しされた自治体からは「地域振興になるのに」と困惑の声も上がる。一方、寄付額の少ない都市部の自治体は制度の廃止を求めるなど、立場の違いが浮かぶ。【成松秋穂、蓮見新也、西村浩一】

    寄付控除で「赤字」

     2017年度のふるさと納税で、県内の自治体には計7万9319件の寄付があった。寄付総額は前年度の15%増となる34億9181万円と過去最高を更新。返礼品を充実させている近江八幡市が17億6543万円と半分以上を占め、高島市が4億5349万円、東近江市が3億4603万円と続いた。最も少ないのは、返礼品を用意していない野洲市の61万円だった。

     一方、県民が他の自治体に寄付したことで、県や各市町が控除した住民税は計約24億5900万円に上る。ふるさと納税の控除額が寄付額を上回り「マイナス」になった場合、4分の3は翌年度の地方交付税で事実上、補てんされる仕組みがあるが、それ以外にも返礼品の調達や送付などの経費も県内で計18億3354万円に上ると見込まれる。寄付額から控除額と経費を除くと県全体で約8億円のマイナスとなり、県と大津、草津など10市町は単独で「マイナス」となる。

    トップ近江八幡市

     人気の近江牛のステーキ肉やすき焼き肉のほか、高級寝具、イージーオーダーの八幡靴、地酒など計約350種類の返礼品をそろえる近江八幡市。県内の自治体で寄付額が4年連続トップとなったが、返礼品調達費が37.9%と総務省の規定を上回った。姉妹都市・北海道松前町の特産、ウニやアワビなど12品目の海鮮類も「地場産品に限る」という規定に反するとされた。

     小西理市長は「制度の存続が第一だ」と総務省に従い、来年1月から返礼品の調達費を3割以下に抑える方針。市ふるさと納税推進室は松前町の海鮮品について「交流を深めるのが目的なので、総務省に趣旨を説明したい。それでも認められないなら松前町と協議したい」と話す。

    「趣旨を理解して」

     日野町は、築100年超の近江鉄道日野駅の保存活動でふるさと納税を活用し、レールで作った文鎮や廃材を漆塗りした額縁などを返礼品にしていた。ただ、1万円以上の寄付で3000円の額縁を贈っていたため、1万円の場合は消費税分が3割の規定に抵触。今後は1万1000円以上の寄付に変えるが、町は「カタログギフトと同じ扱いは心外。1万円でも100万円でも額縁は1個。趣旨を理解してもらい、画一的ではない対応をお願いしたい」と話す。

     愛荘町は町内の酒店やしょうゆ会社など26事業所を「町ふるさと納税特産品協力事業所」に指定し、今年度は240品目の返礼品を用意した。都市部からの申し込みも多いが、返礼率が3割を超える品目が170品目に達することから、町は「10月中をめどに大半を見直さなくてはならない」と頭を抱える。

     豊郷町は町発祥の総合商社「丸紅」との縁で返礼品に加えていた中国製の浴衣が、地場産品ではないと指摘された。町は「既にホームページにも返礼品として掲げているので、来年度以降に返礼品から外したい」とする。

    制度反対の大津市

     大津市の越直美市長は「本来、税金は市民サービスの対価。他の自治体への寄付は地方税の本旨である受益と負担の原則を損なうもので制度自体を廃止すべきだ」と反対の立場だ。市の昨年度の寄付額は4404万円だった半面、他の自治体に寄付した市民に対する今年度の市民税の控除額は5億3592万円と約12倍に達した。ただ、越市長も「制度が存在する限りは収入確保に目を向け、魅力的な返礼品を並べたい」と返礼品の見直しに前向きな姿勢も。市は来年度から、返礼品に琵琶湖を生かした体験型サービスを加えることなどを検討しているという。

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