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ドイツ

情報機関の長官発言巡り 政権危機再燃の可能性も

 【ベルリン中西啓介】ドイツ政府の情報機関・憲法擁護庁のマーセン長官が極右集団ネオナチによる外国人襲撃の真偽を疑問視する発言をし、メルケル政権内の対立に発展している。国政第2党の与党・社会民主党は発言を極右擁護として辞任を要求する一方、政権最右翼で憲法擁護庁を管轄するゼーホーファー内相は長官を擁護している。長官が留任した場合、社民党が連立解消に踏み切る可能性もあり、政権危機が再燃する。

     発端はネオナチのデモの際に撮影されたとみられる動画だ。東部ケムニッツで先月、難民申請者がドイツ人を殺害する事件があり、これに抗議するネオナチのデモがあった。このデモを撮影したとみられる動画に、ネオナチとみられる男が外国人に襲いかかる様子が収録されていた。

     動画について、マーセン長官は今月7日付の独紙ビルトで「動画が本物であるという証拠はない」とし、「(移民系や外国人への)迫害が起きた情報は把握していない」と主張した。だが、メルケル首相はネオナチ側の行為を「迫害」と認識していることから、長官発言は政府見解を否定した形だ。

     これに対し、多くの党員がナチス政権によって殺害された社民党は長官発言に反発し、辞任を求める声を高めている。だが、ゼーホーファー内相は13日の連邦議会でマーセン長官について「信頼している」と述べ、罷免しない考えを表明した。

     DPA通信によると、内相は、長官の「自らの意図に反して発言が誤解されている」とする弁明に理解を示したという。内相が党首を務める保守系地域政党は10月、単独与党維持を目指す州議会選を控える。極右の支持も受ける右派政党「ドイツのための選択肢」(AfD)相手に苦戦が予想される中、左派系政党に譲歩したくないという思惑がにじむ。

     独紙ウェルトによると、メルケル首相は「マーセン長官はもたない」という考えだ。首相は18日にナーレス社民党党首、ゼーホーファー内相と会談し、結論を出す方針。

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