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環境サミット

自治体・企業が参加 脱炭素、米政府抜きで

 トランプ米政権が地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」からの離脱を表明している中、米カリフォルニア州サンフランシスコで、「パリ協定」の推進を議論する国際会議「グローバル気候行動サミット」が14日(日本時間15日)までの日程で開かれている。各国の自治体や企業の代表など100カ国以上から約5000人が参加。「非国家」組織が国際的な結束を深め、米政府抜きで温暖化対策を主導する構えだ。

     「ワシントン(トランプ政権)で何が起ころうが、私たちは温暖化対策を前進させる」。会議を主催する同州のブラウン知事らと共同議長を務める前ニューヨーク市長のブルームバーグ氏は13日、聴衆を前に力説した。長年、環境保護活動を続けている俳優のハリソン・フォード氏も登壇し、「科学を信じない人々に権力を与えるのをやめよう」と地球温暖化そのものに懐疑的なトランプ政権をけん制した。また、オバマ前大統領もビデオメッセージを寄せ、「米国だけがパリ協定からの離脱を表明したのは残念だが、大統領が何をしても(温暖化の)取り組みを実践するのは皆さんだ」と呼びかけた。

     その実践の動きは、昨年6月、トランプ大統領がパリ協定離脱を発表した当初からあった。カリフォルニアとニューヨーク、ワシントンの3州は「米気候連合」を結成し、連携して温室効果ガスの削減目標維持を表明。アマゾンやアップルなどの企業や団体が再生可能エネルギーなどを進めるキャンペーンを始めるなど、「非国家」が先導し、温暖化対策を推進させる動きが加速した。

     そして、ドイツ・ボンで昨年11月に開催された国連気候変動枠組み条約第23回締約国会議(COP23)。会議からの離脱を表明していたトランプ政権を強く批判する「非国家」のパビリオンが、会議の内容以上に注目を集めた。今回、その「非国家」組織が中心になって「パリ協定」を推進する初めての会議の開催に至った。

     実際、「非国家」の影響力は大きい。会議の音頭を取ったカリフォルニア州は英国の国内総生産(GDP)を超え、米国、中国、日本、ドイツに次ぐ世界5位の経済規模を誇る。同州のブラウン知事は今月10日、2045年までに化石燃料発電を全廃し、温室効果ガスを排出しないエネルギーで電力をまかなうことを表明するなど独自の対策を進めている。イダルゴ・パリ市長も「地域レベルでの温暖化対策の動きが活発になっている」と述べ、自治体単位の温暖化対策の進展に期待感を表した。

     日本からも東京都や横浜市などの自治体や企業など205団体からなる「気候変動イニシアティブ」(JCI)が参加している。JCIの末吉竹二郎代表呼びかけ人は「日米の協力は脱炭素社会に向けた世界の取り組みをけん引していく」と話した。

     一方で、日本では温暖化対策を巡る国際的な存在感の低下に対する危機感がある。その一例が、化石燃料に頼らず再生可能エネルギー100%電力での事業活動を目指す企業連合「RE100」だ。グーグルやイケアなど世界的な企業140社以上が参加するが、日本企業は今月10日にソニーが参加表明したのを含めてもまだ11社にすぎない。

     サミットに参加している企業も、従来温暖化対策への貢献をアピールしてきた「常連組」が中心。経営トップらが姿を見せ、活発に活動している欧米各国に比べ、動きの鈍さは否定できない。

     JCIは来月、東京都で「日本版サミット」を開催する。JCIに参加するNGO関係者は「今年12月開催予定のCOP24に向けて、温暖化対策の結束を深めるとともに、国内での機運を高めていけるかどうかの試金石になる」と話している。【サンフランシスコ長野宏美、五十嵐和大】

    グローバル気候行動サミットでの主な登壇者

    アル・ゴア 元米副大統領

    アンヌ・イダルゴ パリ市長

    ナンシー・ペロシ 民主党下院院内総務

    ブルームバーグ 前ニューヨーク市長

    ハリソン・フォード 俳優 

    アレック・ボールドウィン 俳優

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