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岩間陽子・評 『ドル防衛と日米関係 高度成長期日本の経済外交 1959~1969年』=高橋和宏・著

 (千倉書房・4104円)

六○年代研究に新しい風

 ヨーロッパ研究では、しばらく前から、国際収支の問題がいわゆる「ハイ・ポリティクス」である安全保障や地域統合の問題と、いかに密接に関連していたか、という研究が出ている。本書はこの流れに連なる研究で、それを一九六〇年代の日本外交で試みている。結果は、なかなか新鮮な印象を受ける叙述になった。六三年七月、大平正芳外相に対しライシャワー駐日米大使は、ドル節約と日本の防衛努力(防衛予算)増強は、異なる範疇(はんちゅう)の問題だが八〇から九〇%は重複する、と述べている。ずいぶん多い印象だが、これは日米に限ったことではなかった。

 本書でも引用されている、フランシス・ギャビンの研究書では、米国務次官ハリマンが、ジョンソン大統領とラスク国務長官に対して、以下のような提案を行っている。ソ連にベトナム和平の協力を頼むには、西ドイツを念頭に置いた核不拡散協定で、西ドイツに核のハードウエアを与えないと約束すればよい。代わりに西ドイツには、軍事オフセット問題で譲歩する。ベトナム和平が達成できれば、対西ドイツで譲歩した分のドル損失など、…

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