- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

外国人の観光客や定住者が増加する中、急病で医療機関にかかったものの、医療費が支払えないケースが相次いでいる。病院にとっては経営的なダメージも小さくない。外国人も安心して受診でき、医療機関も受け入れをためらわない仕組み作りが求められる。【熊谷豪】
救急に対応苦慮
成田空港に近い成田赤十字病院に最近、交通事故で大けがをした外国人男性が運び込まれた。身元が分からないまま緊急手術をして、集中治療室(ICU)に入った。ところが翌日、不法滞在者と判明。日雇い労働で生活し、母国の家族を仕送りで支えていた。治療費は300万円かかったが、身柄は警察に引き渡し、回収のめどは立っていない。
同病院は外国人患者らに対し、クレジットカードの確認や緊急連絡先の聞き取りなどをすることで、未払いが生じないよう対策を講じている。だが、浅香朋美・国際診療科部長は「緊急の重症患者の場合、事前に支払い方法を確認するのは困難だ」と話す。昨年度の外国人患者の未払いは、約140件、計約1000万円に上る。
この記事は有料記事です。
残り1752文字(全文2188文字)