紀州犬

頭数激減 普及に向け地元保存会も準備

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和歌山公園動物園に仲間入りした2頭の紀州犬=後藤奈緒撮影
和歌山公園動物園に仲間入りした2頭の紀州犬=後藤奈緒撮影

 熊野地方発祥とされる国天然記念物「紀州犬」。小さくて飼いやすい洋犬人気の高まりなどのあおりを受け、頭数は激減している。地元で親しまれてきた犬を後世に受け継ごうと、和歌山公園動物園では7月から2頭の紀州犬が初めて飼育され、地元保存会もさらなる普及に向けて準備を進めている。【後藤奈緒】

 紀州犬は元々狩猟用に飼われていた中型犬で、愛玩用としても広まった。ピンと伸びた三角形の耳にハマグリ形の黒い瞳を持つ精悍(せいかん)な表情が特徴。体毛は白色がメインで、飼い主への忠誠心があついとされる。甲斐犬に次ぎ、1934(昭和9)年、国天然記念物に指定された。

 日本犬保存会(東京都)によると、同会が発行した紀州犬の血統書は、98年が全国で1450頭だったが、昨年は372頭にとどまった。県内に限った頭数は把握されていない。同会の担当者は「そもそも日本犬は洋犬に比べて比較的大型の犬種が多い」と指摘。紀州犬に詳しい別の関係者は「高齢化や核家族化が進む中、飼育しづらいとして敬遠されているのではないか」と話している。

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