メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

北海道地震

「復興 一日も早く」 厚真神社宮司、倒れた鳥居に誓う 土砂崩れの恐れ、住民不在の例大祭

例大祭を終え、倒壊した鳥居の前で話をする厚真神社宮司の黒沢寿紀さん=北海道厚真町で2018年9月16日午前10時41分、貝塚太一撮影

[PR]

 6日未明に最大震度7の激しい揺れに襲われた北海道厚真町の総鎮守として知られる厚真神社は、大鳥居が倒壊したり、社殿が傾いたりするなど施設に大きな被害を受けた。祝詞をあげるだけとなった、五穀豊穣(ほうじょう)に感謝する年1度の秋の例大祭が行われた16日、4代目宮司の黒沢寿紀さん(75)は地域の再建を祈った。【岡崎英遠、宮原健太】

     「一日も早い復興、復旧……」。この日、社殿の外で黒沢さんが祝詞を読み上げ、玉串を奉納した。例年は子供たちがみこしを担ぎ、境内には出店が並ぶ。しかし、今年は地震で神社の地盤が緩み、土砂崩れの恐れもあり、ほかの行事は見送られた。

     6日未明の地震は、町を一望できる高台にある神社にも深い爪痕を残した。境内の三つの鳥居は全て壊れ、参道の石灯籠(どうろう)はほとんど落ちた。社殿の柱はゆがみ傾き、壁も崩れた。

     多くの氏子を失った。集落の大部分が土砂崩れに巻き込まれた吉野地区をはじめ、犠牲者36人のうち知らない人は一人もいなかった。黒沢さんは地元で生まれ育ち、父親の後を継いで1985年に宮司に就いた。「多くが何十年という付き合い。氏子というより友人だった」と吐露する。

     厚真神社の歴史は、この町の入植の歴史と重なっている。1895年に同町朝日に建立され、1900年に現在の場所に移った。以来、約20カ所の集落の祭事に関わるなど、118年にわたり地域と共に歩んできた。「住民らで行う神社の祭りなどの行事が地域のつながりを作ってきた。地震でそれを絶やしたくない」

     高さ約6メートル、太さ約50センチの鳥居は真っ二つに折れた。「厚真神社」と書かれた社号標の石板が欠けた。今はこの地で再建できるか、移転が必要になるか、判断もつかない。しかし、黒沢さんは「ここで止まっていては先人たちに申し訳ない。何としても再建する。それが私の最後の仕事だ」と力を込めた。


    北海道地震の被害

    死者       41人

    けが      696人

        (うち重症10人)

    避難者    1188人

    停電       59戸

    建物被害全壊  208棟

    半壊      279棟

    断水     2304戸

     =16日午後、北海道まとめ

    おすすめ記事
    広告
    毎日新聞のアカウント
    ピックアップ
    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 「元の生活に戻れない」特殊詐欺で無罪確定の大学生 勾留10カ月で留年

    2. ビルから鉄パイプが落下 通行人の26歳男性死亡 和歌山

    3. 桜を見る会 安倍首相の元秘書・下関市長はこう答えた…定例記者会見・一問一答

    4. 「桜を見る会」参加の山口県議ら、ブログ削除相次ぐ

    5. 桜を見る会  安倍事務所名の申込書使い自民・下関市議が「地方枠」で支援者招待

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    今週のおすすめ
    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです