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北海道地震

激震、農場も打撃 豚舎倒壊、子豚300頭死ぬ 停電で搾乳不能、病気に

地震により屋根から崩れ落ちた豚舎=北海道厚真町で2018年9月10日、希望農場提供

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 北海道胆振(いぶり)地方を震源とする6日未明の地震により、畜産、酪農業が打撃を受けている。震度7を観測した厚真町の「希望農場」で豚舎20棟のうち約半数が全半壊し、子豚約300頭が死んだほか、停電や断水の影響で搾乳できなかった乳牛の乳房炎が道内で相次ぐ。これまで経験したことがない被害に、関係者は頭を抱えている。【遠藤大志、本間浩昭】

 6日午前3時過ぎ、「希望農場」社長の中島道義さん(73)が舎内で豚にエサを与えて出てきた直後、激震に襲われた。「ドーン、バキッ」。大きな音とともに、背後の豚舎が崩れ落ちた。「何が起きたんだ」。近くの軽トラックにしがみつき、揺れが収まるのを待った。

 「大変なことになっている」。夜が明けると、中島さんは生後間もない豚を飼育する舎内で目を覆いたくなる光景を見た。地震の揺れで飼育柵が外れ、子豚約300頭が深さ1・5メートルの汚物槽に落ちて死んでいた。

 中島さんは45年前に農場を法人化。道内でも珍しい、放し飼いの「放牧豚」を生産し、年約4000頭を出荷してきた。被害状況の全容はつかめていない。当面の課題は資金確保だが、中島さんは「農場をたたむわけにはいかない」と前を向く。

 乳牛500頭を飼育する安平町の「金川牧場」は、地震による断水で飲み水を手に入れられず、母牛2頭が出産後に死んだ。搾乳設備を洗うこともできないため1日3回の搾乳を2回に減らしたところ、約80頭が乳房炎となった。乳腺がつまり乳房が張りつめる。ピンクの乳が出たり、固形物が混じったりすることがある。

 11日の出荷再開まで牛乳約35トンを廃棄し、損害額は約350万円に達した。乳量は平時の4割ほどにとどまっており、経営者の金川幹夫さん(56)は「経営が安定化するまで1年ぐらいかかる」と疲労感をにじませる。

 停電に見舞われた別海町では約200頭を飼育する酪農業の男性(75)が「約100頭の乳牛のほぼ全てが乳房炎にかかり、2頭は死んだ」と語る。1日平均2・7トンを搾るため、損失は乳代だけで1日26万円。経営を任せた息子が規模を大きくしようとしていた矢先だけに「息子は食事がのどを通らないようだ」と話した。

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