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米国の対中制裁第3弾 トランプ発不況を憂える

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 トランプ米政権が、中国の知的財産権侵害を理由とした制裁関税第3弾を発動すると発表した。今回はっきりしたのは米中の貿易戦争が従来と異なる次元に突入することだ。

 まず米国が制裁規模を桁違いに増やしたことだ。第3弾の対象の輸入品は約22兆円と従来の合計の4倍にもなる。全て合わせると中国からの輸入総額のほぼ半分を占める。

 中国も報復する構えだ。ただ予告した規模は6兆円強と一連の報復で初めて米国を下回る。輸入が米国より少なく余力が乏しくなっている。

 トランプ大統領は中国が報復した場合、全輸入品への制裁も辞さない意向を示した。中間選挙が11月に迫る中、経済力でねじ伏せ、大幅な譲歩を勝ち取りたいのだろう。

 次に世界経済への悪影響が一段と深刻になりそうなことである。

 保護主義は中国だけでなく米国の景気も圧迫する。今回は制裁が大規模なため、従来と異なり家電や衣類など生活に身近な製品も多く含まれる。そうした輸入品の価格が高騰すると米国の消費者に打撃となる。

 自由貿易に基づく国際的分業も寸断されかねない。中国には日米欧の工場が集まる。アジアなどから部品を輸入し米国に製品を輸出する仕組みが各国企業の成長の原動力となってきた。中国以外への移転を余儀なくされると投資意欲も冷え込む。

 トランプ氏が自国の国民や企業も道連れにして世界を不況に巻き込む事態を引き起こしかねないのだ。

 米国の強硬姿勢の背景にはハイテク分野を巡る中国との覇権争いがある。米国企業の先端技術が中国に不当に奪われると警戒している。

 中国の知的財産権侵害は問題だ。だからといって「米国第一」を振りかざし、国際社会に負の連鎖をもたらす一方的制裁は許されない。

 ちょうど10年前に起きたリーマン・ショックは、米中両大国を含めた多国間の協調が世界経済の安定に不可欠ということを認識させた。

 当時は保護主義の拡大が不況を深刻化させる恐れがあった。悪循環に陥るのを各国は連携して防いだ。

 そのころよりも米中の経済規模が世界に占める比率は高く、責任も増している。米国は対話による解決を図るべきだ。日本も欧州などと連携し自制を働きかける必要がある。

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