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台風21号

大阪湾内6割超「走錨」か 連絡橋衝突船含め

関西国際空港の連絡橋に衝突したタンカー=2018年9月4日午後5時57分、本社ヘリから幾島健太郎撮影

 台風21号が今月4日に近畿地方を通過した際、大阪湾に停泊していた51隻の船舶のうち、6割を超える33隻がいかりを下ろしたまま強風で流される「走錨(そうびょう)」を起こしていた可能性の高いことが、若林伸和・神戸大大学院教授(航海学)の分析で明らかになった。この台風で走錨したタンカーが、関西国際空港の連絡橋に衝突。若林教授は「大阪湾全体が危険な状態といえ、湾から避難すべきだった」と指摘している。

 500トン以上の船舶の位置情報などを自動送信するAIS(自動船舶識別装置)のデータを、若林教授が調べた。関空島から約1.6キロ南東で停泊していたタンカー「宝運丸」(2591トン)は4日昼過ぎ、強風で流されて連絡橋に衝突した。この時間帯、大阪湾には51隻の停泊が確認され、うち33隻が走錨とみられる動きを示していた。数キロにわたって流された船が多数あっったとされる。

 第5管区海上保安本部は台風などの荒天時、走錨による事故を防ぐため、関空島から5.5キロ以上離れた海域に避難するよう推奨している。若林教授によると、この日、5.5キロ圏内には約10隻がとどまり、宝運丸を含む4隻が走錨したとみられる。宝運丸の衝突時、関空島では観測史上最大の瞬間風速58.1メートルを観測した。

 宝運丸の男性船長は避難場所について、「陸地や空港などに囲まれた停泊に適した海域で、過去の台風では他の船舶もこの場所に避難した」とする見解を公表。先月23日の台風20号接近時には、約30隻が避難推奨海域に出なかった。

 若林教授は、台風21号は過去の台風と比較できないほど強い勢力で、走錨した船同士が衝突する危険性もあったと指摘。「大阪湾ではなく、(西側の)播磨灘などに避難すべきだった」と訴えた。5管が推奨する避難海域についても十分周知されていなかった可能性があり、「避難に関するルール作りが必要だ」とも問題提起した。

 一方、5管は18日、タンカーの衝突事故を受け、緊急の海難防止連絡会を大阪市内で開いた。民間の船舶関係団体など22団体から計25人が参加。5管の担当者が、荒天時には避難推奨海域で停泊するよう改めて求め、今後はこの海域に避難しない船に対して巡視船などで注意喚起する方針を明らかにした。【竹田迅岐】

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