
AI(人工知能)で勉強して、序盤がうまくなった--。近ごろ好調の囲碁棋士に秘訣(ひけつ)を尋ねると、そんな答えが返ってくるのが当たり前になってきた。先月、碁聖戦五番勝負で絶対王者、本因坊文裕(もんゆう)(29)=井山裕太九段=の7冠を3連勝で崩した許家元(きょかげん)碁聖(20)もその一人である。2016年3月、米グーグル傘下の英ディープマインド社のAI「アルファ碁」が世界トップ級の棋士を圧倒して以降、わずか2年強の間にAIは囲碁界の勢力図を明らかに変えている。「1週間、碁から離れて旅行していたら、置いてけぼりになってしまう」という棋士の冗談が冗談にならないほどのスピードだ。AI時代の囲碁界について考えたい。
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