メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

社説

南北の平壌共同宣言 米朝停滞下での「つなぎ」

[PR]

 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が3回目の会談を行い、「平壌共同宣言」を発表した。南北の首脳が頻繁に会談するのは信頼醸成に役立つだろう。ただし、肝心の核問題での成果は今後の米朝協議に持ち越された。

     共同宣言には、北朝鮮がミサイルエンジン実験場などを関係国の専門家の監視の下で永久廃棄すると明記された。北朝鮮が核実験場を爆破した際、専門家の査察を受け入れない不透明な措置と批判されたことが念頭にあったのだろう。

     国際社会の声に耳を傾けようとしたなら、一歩前進だ。トランプ米大統領は早速、合意を評価している。

     しかし、これで米朝協議が大きく進展すると考えるのは早計だろう。

     北朝鮮は核開発の中核である寧辺(ニョンビョン)の核施設に関しても永久廃棄を表明したが、米国が相応の措置を取ればという前提条件を付けた。まず米国が朝鮮戦争の終戦宣言に応じるべきだとの北朝鮮の従来の主張を反映したものだろう。米国は非核化措置を先行させる必要があるとの立場で、これでは平行線のままだ。

     核開発を進めて北東アジアの緊張を高めた側が行動対行動の原則を持ち出す論理に、韓国が理解を示したことにならないか、懸念が残る。

     そもそも北朝鮮の非核化は、個別の施設ではなく、関連するすべての核施設、核物質が対象だ。

     北朝鮮の非核化で大きな成果が望めない中、文大統領が今回平壌を訪れたのは、南北がお互いを必要とする事情があったからだろう。

     北朝鮮は、米中間の貿易摩擦のあおりを受け、最近では中国からの全面的な後押しを受けるのが難しくなっている。トランプ大統領が中国への不満を表明しているためだ。

     また、韓国では経済対策が不十分だとして世論の支持離れが起きており、南北関係の改善をテコに反転攻勢に出る思惑があったのだろう。

     今回の両首脳の親密ぶりは、過去2回の韓国大統領の平壌訪問と比べても突出している。きょうは、中朝国境沿いにある朝鮮半島最高峰の白頭山にそろって登るという。

     政治的な演出は、対話の雰囲気作りにはプラスかもしれない。重要なのは、核問題で実質的な進展に結びつけることだ。

    おすすめ記事
    広告
    毎日新聞のアカウント
    ピックアップ
    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 紀平SP6位 首位はコストルナヤ、世界最高得点 GPファイナル女子

    2. インタビュー・最前線 ブロードリンク 榊彰一社長 中古PCで環境貢献 回収から卸売りまで

    3. 神奈川県庁サーバーに使用のハードディスク転売 納税記録など流出

    4. 道交法に「あおり運転」 即座に免許取り消し 警察庁方針

    5. 日本政府、中村医師の襲撃情報を事前に把握 本人も警戒

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    今週のおすすめ
    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです