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深海の海底から金属成分を含む熱い水が噴き出す「熱水噴出域」に注目が集まっている。生命誕生の場所として有力な候補に挙げられる一方、レアメタルなど海底資源の宝庫とも目されているからだ。海洋研究開発機構による潜水調査に同行した。【池田知広】
●巨大なチムニー
7月21日、伊豆諸島最南端、青ケ島の東約10キロの海上。海洋機構の支援母船「よこすか」から海面に下ろされた有人潜水調査船「しんかい6500」が静かに潜航を始めた。3人を乗せ、水深6500メートルまで潜れる。大西琢磨潜航長(35)ら乗組員が目指したのは水深約800メートルの「東青ケ島カルデラ」だ。
「目の前に美しい光景が広がっている」。潜航開始から約4時間後、しんかいの副操縦士を務めた飯島さつき潜航士(28)の報告が、記者のいたよこすかの総合司令室に届いた。海底で確認されたのは、高さが約35メートルにもなる巨大な熱水噴出孔(チムニー)だった。よこすか船上に送られてきた映像は少しぼやけていて、全体像がよく分からなかったが、浮上後に飯島さんに聞くと、「まるで近代建築のようで神秘的でした」と話し…
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