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家系図作り人気 自分のルーツは? 依頼絶えず

家系図のサンプルを見せる行政書士の丸山学さん=埼玉県所沢市小手指町で、飯田憲撮影

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 自分はいったい何者で、どこから来たのか--。本人に代わって家系図を作成する業者への依頼がじわりと伸びている。顧客の中心は、核家族化を背景に家族のつながりが薄くなっているとされる中高年世代。専門家は「家に縛られない個人の時代だが、だからこそルーツをたどりたくなるのかもしれない」と言う。家系図作りの人気の理由を追った。【飯田憲】

    家系図作りの費用と期間

     「年間80件の依頼を請け負っていますが、これ以上の予約は厳しい」。家系図作りを専門にする埼玉県所沢市の行政書士、丸山学さん(50)は苦笑する。依頼者から委任状をもらい、役所で本人の戸籍を取り寄せる。戸籍制度が確立している日本では、江戸末期の先祖までさかのぼることができるといい、凝った装丁で依頼者の家系図を作る。

     要望によっては、さらに古い先祖探しも請け負う。郷土史などを読み込み、縁者から丹念に話を聞く。家系を400年さかのぼる「上級コース」の場合、1年ほどの調査期間と約130万円の費用がかかる。それでも現在、40件が同時進行中だ。

     依頼者には中高年が目立つ。丸山さんは「家意識が薄れて個人の時代となり、2世代が過ぎた。人生の折り返しを迎え、どんな土台に自分が立っているか知りたい人が増えている」と分析する。

     家系図作りを専門に行う業者も増えてきた。2017年にサービスを始めた家樹(かじゅ)(東京都中央区)は家系図作成を手掛けるとともに、親族で共有できるように作成した電子データも提供する。これまでに計120件を受注した。同社が提案するのは、家系図を手にルーツの土地を巡る旅だ。

     東京都渋谷区の会社役員、本間浩一さん(58)も家樹に家系図作りを頼んだ。大学入学とともに群馬県から上京後、父との連絡は途切れがちになり、30代で父が亡くなった。「もっと父と話しておけばよかった」。自分のルーツを聞ける人がいないことに、喪失感が強まった。

     作成された家系図をつぶさに見ると、はるか昔に近所の親戚の間で慶弔が集中した時期があったりして、先祖の当時のやり取りを思い浮かべることができた。家系図のデータを印刷し、法事で親族に配ると好評だったという。

     家系図作りは日本よりも欧米諸国が先行し、インターネット家系図サービスなどが一大市場になっているとされる。日本での先祖調査に詳しい関西学院大学文学部の山口覚教授(人文地理学)は「かつての『家柄』や家意識のための先祖調査ではなく、近親者を中心とした個人的な家族史への志向や、先祖の故郷を巡る先祖ツーリズムも珍しくない。現代では、趣味としての側面がより強まっており、ニーズが広がる可能性がある」と言う。

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