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選挙となれば候補者が耳当たりのいい言葉に終始するのは、そんなものと割り切るほかないのだが、自民党総裁選も似たようなものだ。深刻な議論を交わすことで、日本の現状について人々の認識を深める機会になると思うのだが生ぬるい話に終始している。
「死がなければ復活もなく、復活がなければ教会もない」。カトリック教会はそんな心配をする。
人々があまりに長生きする現実が引き起こす問題を描いた有名な小説を読んでいたら、わが国の高齢化の実態を示す統計数字が報道された。65歳以上の高齢者が30%近くになり、70歳以上の比率も想像通りの怖い数字になっている。小説では、誰もが長く生き過ぎて、ある年齢で死が存在することで果たしていた役割が奪われてしまう社会を想定している。本来、喜ぶべき長寿が引き起こす社会や家族の崩壊を描いているのである。
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