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社説

文科省次官が引責辞任 教育行政の信頼を失った

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 文部科学省幹部が関わる贈収賄事件を受け、文科省の戸谷一夫事務次官が引責辞任した。

     次官以外にも、初等中等教育局長が辞任し高等教育局長も懲戒処分を受けた。事件を巡り、多くの幹部が接待を受けていた実態が判明した。

     事件では、私大支援事業の選定で東京医科大に便宜を図る見返りに、息子を合格させてもらったとして前科学技術・学術政策局長が受託収賄罪で起訴され、前国際統括官も起訴されている。これを受けた同省の調査で幹部職員への接待が分かった。

     文科省は昨年、組織的な天下りあっせん問題で当時の前川喜平事務次官が引責辞任しており、2代続けての異例の事態だ。トップの辞任は職員の士気にも関わる。組織の立て直しが急務だ。

     戸谷氏は文科審議官だった2015年、事件に関与した元コンサルティング会社の役員や元国会議員らと会食し、6万円を超える接待を受けていた。初中局長もスポーツ庁次長だった17年、元役員や国会議員らと会食し2万円の接待を受けていた。

     接待を持ちかけた元役員は国会議員の政策顧問の肩書で官僚に近づいた。議員の威光を背景に官僚を抱き込む構図だ。戸谷次官は「認識が甘かった」と述べている。共通するのは政治家の介在だ。

     官僚は、国家公務員倫理規程により、利害関係者からでなくても社会通念上の限度を超えた接待を受けることを禁じられている。

     にもかかわらず、政治家の顔色をうかがい接待を受けていたならば、公務員の倫理をないがしろにした行為だ。教育行政の信頼を失墜させた責任は極めて重い。

     同省では枢要なポストに就く多くの幹部が接待を受けていた。組織の構造的問題が潜んでいないか。徹底的な検証と再発防止策が必要だ。

     20年前、現職職員が逮捕された旧大蔵省の接待汚職事件があり、それを受けて作られたのが国家公務員倫理規程だ。時間がたち身を律することへの緩みが生じているのではないか。倫理規程に照らせば、国民から疑念を持たれぬ行動が求められる。認識が甘かったでは済まされない。

     こうした緩みは文科省だけのことなのか。他の省庁も調査をすべきではないか。

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