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関空

貨物の復旧遠く かさむ輸送費、企業ため息

車両整備工場で泥が付いたままの車両を整備する航空会社社員=関西国際空港で2018年9月21日午前11時55分、山田尚弘撮影

 台風21号で被害を受けた関西国際空港では21日、旅客施設が全面的に営業を再開した。しかし、国際貨物地区は被害の爪痕が今なお残る。各航空会社も被災状況の確認や作業車両の点検に追われており、荷さばき能力は今月中に8割程度まで回復するとみられるが、完全復旧の時期までは見通せない。西日本の企業やメーカーには別の国際空港からの輸出入を迫られるところもあり、かさむ輸送費にため息をつく。

     関空1期島の南側に位置する国際貨物地区。全日空は同日、毎日新聞の取材に応じ、地区内の車両整備場の様子を公開した。整備場に置かれた荷物を運搬するフォークリフトには茶色いさびが目立ち、壁には高さ1メートル付近まで浸水した跡が残る。全日空では所有する特殊車両約300台のうち、約6割が水浸しになって使えず、羽田空港から急きょ機材を調達してしのいでいるという。

     一方、近くの貨物倉庫には今も水損した荷物が大量に積み上がっているといい、屋根は台風の際の暴風でめくれ上がったまま。停電も解消されていない状態が続いている。

     職員が総がかりで復旧作業にあたり、22日からは旅客便で貨物の受け入れを始める予定だが、施設の完全復旧の見通しは立たない。同社関西空港支店の広報担当者は「全面復旧は半年、それ以上かもしれない」と嘆く。

     日本航空もフォークリフト総数の8割を占める約100台が故障し、別の空港から調達するなど98台を確保した。今月15日以降、関空発の旅客便で米国や台湾への貨物輸送を始めたが、取扱量は被災前の1割にとどまる。倉庫内の消毒も同時並行で進めており、生鮮食品を受け入れられない状況が続いている。

     一方、関空の物流機能のまひで企業への影響も出始めている。切り花の卸売商社「クリエイト」(大阪府吹田市)は、関空経由でコロンビア産のカーネーションやケニア産のバラなど世界各地の花を輸入し、婚礼用としてホテルなどに納品してきた。関空の閉鎖以降は成田空港の活用で急場をしのぐが、関西への輸送費が膨らんでいる。茅野貴暉社長は「関空の利用で何とか採算が合っていた。簡単に値上げもできない」と頭を抱える。

     西日本に生産拠点が多いパナソニック。海外に空輸する製品の7割が関空を経由していたため、影響は大きい。6日以降、電子部品やパソコンの輸出を関空から成田や中部空港などに振り替えたが、大阪や兵庫の工場を出発するトラック輸送費がかさんでいる。広報担当者は「関空の物流機能は全面復旧しておらず、先行きは見通せない。他の空港がどこまで荷物を受け入れられるのかも心配だ」と話す。【蒲原明佳、松浦吉剛、小坂剛志、加藤美穂子】

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