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青森県八戸市の自然食レストラン「洋望荘」で9年前に食べたすしの味が忘れられない。天然の芝生が広がる種差(たねさし)海岸の佳景を背に握ってくれたのは、11歳の少年だった。成人した彼に会いに、北へ向かった。
JR種差海岸駅から漁港に向かって10分ほど歩くと、白い外壁の建物が見えた。戸を開くと藍染めの作務衣(さむえ)を着たシェフがさっそうと現れた。佐藤元重さん(20)。クリッとした目の小学6年生は、記者と同じ背丈になっていた。
さっそく調理場に入り、旬の魚で料理を作ってくれた。海峡マダイのチーズロースト、アイナメのウニ窯焼き、イシナギのうしお汁。見た目が美しく、素材が引き立つやさしい味だ。店では化学調味料や食品添加物を一切使わない。みそやしょうゆも自家製だ。オーナーシェフの父一弘さん(59)と追究する自然食へのこだわりが随所に込められている。
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