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プラスチック危機

安価で丈夫なプラスチックは多くの製品に用いられ、20世紀半ば以降の暮らしを大きく変えた。一方で、2050年までに海に流入するプラスチックごみの総重量が、世界の海に生息する魚の総重量を超えるとの予測もあり、分解されずたまり続ける大量の廃プラスチックの問題が世界で懸念されている。「便利さ」追求の陰で広がる「危機」を現場から考える。

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プラスチック危機

海鳥9割に異物 40年前、異変の兆候

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北海のフルマカモメの体内から見つかるプラスチックごみの平均量(右の容器内0.31グラム)を人間の体で置き換えると、箱(左)に入った量ほどにもなる=デン・ヘルダーで
北海のフルマカモメの体内から見つかるプラスチックごみの平均量(右の容器内0.31グラム)を人間の体で置き換えると、箱(左)に入った量ほどにもなる=デン・ヘルダーで

 世界的に問題視されるようになったプラスチックごみによる海洋汚染。40年近く前には既に、海鳥の体にその兆候が表れていた。プラスチックの生産拡大に伴い、海鳥への影響はより深刻化している。また、人口密集地に近い海域だけでなく、遠い極地付近の海にも汚染が広がっていることが明らかになりつつある。【デン・ヘルダー(オランダ北部)で八田浩輔】

 北海に突き出した半島の先端にあるオランダ北部の港町デン・ヘルダー。海鳥の研究を続けるワーヘニンゲン大学海洋研究所の海洋生物学者、ヤン・ファン・フラネカーさん(64)は、駆け出しの研究者だった1970年代の終わりごろ、「異変」に気付いた。

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