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広島高裁

伊方原発3号機、再稼働可能に 四電異議認める

四国電力伊方原発3号機=愛媛県伊方町で2017年3月、本社ヘリから幾島健太郎撮影
愛媛県の伊方原発

運転差し止めを命じた12月の仮処分決定取り消し

 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町、停止中)の運転差し止めを命じた昨年12月の広島高裁仮処分決定(野々上友之裁判長=当時)を巡る異議審で、同高裁(三木昌之裁判長)は25日、四電が申し立てた異議を認め、仮処分決定を取り消した。決定が差し止めの理由とした阿蘇カルデラ(阿蘇山、熊本県)の破局的噴火について社会通念上、想定する必要がなく、立地は不適でないと判断した。異議審の決定を受け、四電は10月27日に3号機を再稼働させる方針。

 高裁段階で初めて示された原発差し止め判断が約9カ月で覆り、3号機は法的に運転可能な状態となった。住民側は他の訴訟への影響などを考慮し、最高裁への特別抗告はしない方針。

 三木裁判長は、差し止めの仮処分決定が重視した原子力規制委員会の手引書「火山影響評価ガイド」について「噴火の時期や程度が相当程度の正確さで予測できるとしていることを前提としており不合理」と批判。火山の噴火リスクについて「わが国の社会が自然災害に対する危険をどの程度まで容認するかという社会通念を基準として判断せざるを得ない」とした。

 その上で、日本では1万年に1度程度とされる「破局的噴火」について、発生頻度は著しく小さく、国が具体的対策を策定しようという動きも認められない。国民の大多数はそのことを格別に問題にしていない」と指摘。「破局的噴火が伊方原発の運用期間中に発生する可能性が相応の根拠をもって示されているとは認められない」とした。

 昨年12月13日の仮処分決定は、ガイドを厳格に運用し、原発から半径160キロ以内の範囲にある火山で噴火規模が想定できない場合は過去最大の噴火を想定すべきだと強調。約130キロ離れた阿蘇カルデラで約9万年前に起きた破局的噴火を根拠に、火砕流が到達する可能性がある伊方原発を「立地不適」と断じた。ただ広島地裁で別に審理中の差し止め訴訟で異なる判断がされる場合を考慮し、期限を今月末とした。

 3号機は2015年7月、規制委が東日本大震災後に作成した新規制基準による安全審査に合格し、16年8月に再稼働。四電は定期検査を経て、今年2月に営業運転を再開する予定だったが、広島高裁が運転差し止めを命じ、停止状態が続いていた。

 異議審の決定を受け、四電は3号機の再稼働工程を明らかにした。作業が順調に進めば10月30日に送電を始め、11月28日に定期検査を終えて営業運転に移りたい考え。

 今回と同様のケースでは、福井地裁で15年、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止め仮処分決定が異議審で覆っている。3号機の運転差し止めを求める仮処分は高松高裁、山口地裁岩国支部、大分地裁でも係争中。このうち大分地裁は28日に決定を出す。【小山美砂、植松晃一】

 【ことば】伊方原発

 九州へ延びる佐田岬半島(愛媛県伊方町)の瀬戸内海側に立地する四国電力唯一の原発。3号機(出力89万キロワット)は1994年に運転を開始し、2010年から国内2例目のウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料によるプルサーマル発電を始めた。1号機(運転開始77年)は16年5月、2号機(同82年)は今年5月に廃炉となった。

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