メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

強制不妊

知的障害者被害調査へ 家族団体、相談窓口設置

「全国手をつなぐ育成会連合会」会長の久保厚子さん

 障害者らに不妊手術を強いた旧優生保護法(1948~96年)を巡る問題で、知的障害者の家族らでつくる国内最大の民間団体「全国手をつなぐ育成会連合会」(久保厚子会長、会員数約20万人)が、被害の実態を調べる初めての全国調査に乗り出す。被害者の掘り起こしと同時に、声を上げられない要因となっている被害者が受けたトラウマなどのケアにも当たる。近く、全都道府県にある育成会と協議し、相談窓口を設置していく方針。

 不妊手術を受けたとされる約2万5000人のうち、厚生労働省の調査で個人名が特定できたのは3033人。国会では個人記録がないケースの救済も議論されているが、被害者にどう名乗り出てもらうかが最大の課題だ。強制不妊の被害が多く、自ら意思表示の難しい知的障害者の被害調査が進めば、一人でも多くの救済を実現する上で大きなはずみとなる。

 同会が相談窓口を通じて検討しているのは、「被害者の掘り起こし」と「障害者とその家族の心のケア」の2本柱。9月中にも検証委員会を発足させ、会員に対して不妊手術に関する相談や情報提供を求める。すでに「手術をされて悲しかった」といった当事者の声も複数寄せられており、心のケア対策の具体的な方法も検討する。

 同会関係者によると、50年代に滋賀県の入所施設を退所した知的障害の女性が売春を強要された問題を発端に、旧法下の不妊手術を会として容認した時期があった。このため96年に母体保護法に改定された後も、親の負い目もあり、会の中で不妊手術の話題がタブー視されてきた。今回の調査は、現存する被害者の個人記録の少なさに危機感が高まる中、「会として問題に向き合ってこなかった」反省から久保会長が決意したという。

 同会は実態把握と並行し、当時の会としての姿勢も検証する方針だ。久保会長は「私たちは親であり、障害者本人の会。被害実態の解明に加えて、当事者の心を癒やすことに力を尽くしたい」と話している。【岩崎歩】

 【ことば】全国手をつなぐ育成会連合会

 知的障害者の親たちが福祉や教育の拡充のための政策提言などを行う全国組織。1952年に知的障害児を育てる母親が中心となって発足した「精神薄弱児育成会」が前身。全国各地の育成会が連携しながら活動している。旧法下の不妊手術をめぐっては、聴覚障害者らの全国組織「全日本ろうあ連盟」も会員約1万9000人を対象に被害実態を調べている。

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. ステルス戦闘機 ハリケーン直撃で大量に大破か 米国
  2. 森元首相 「余計なことしやがって」 石破氏依頼に苦言
  3. 宮内庁 仁徳天皇陵を発掘へ 今月下旬から堺市と共同で
  4. サウジ記者不明 アップルウオッチ通じ録音か トルコ紙
  5. 個人情報 本物のパスワード記載「脅迫メール」が横行

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです