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岡崎 武志・評『変わったタイプ』『波の上のキネマ』ほか

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今週の新刊

◆『変わったタイプ』トム・ハンクス/著、小川高義/訳(新潮クレスト・ブックス/税別2400円)

 短編集『変わったタイプ』(小川高義訳)の著者トム・ハンクスは、『ニューヨーカー』に作品が掲載され、60歳近い遅咲きのスタートを飾った。あの映画スターと同姓同名? いや、本人なのです。

 デビュー作となった「アラン・ビーン、ほか四名」は、高校時代からの友人4人が、念願の月周回の宇宙旅行を果たす話。100ドルで買ったカプセルに乗り込み、あっさりと地球に帰還する。恐ろしくバカバカしく、素晴らしくファンタスティック。

 2時には昼寝をしていた有閑青年が、エキセントリックで活動的な恋人ができて振り回される「へとへとの三週間」など、「変わったタイプ」の登場人物ばかり。また「タイプ(ライター)」が、必ずどこかに登場する。じつに手が込んでいて、語り口は滑らか。驚くべき技量である。

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