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武田 砂鉄・評『本を贈る』若松英輔他・著

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たくさんの時間をかけて たくさんの人の手を経る

◆『本を贈る』若松英輔他・著(三輪舎/税別1800円)

 校正者がチェックしてくれたゲラ刷りを見て、よし、これでおしまい、と最終確認したゲラを編集者に預けてから、本が書店に並ぶまで1カ月ほどかかる。即座に言葉を届けられる世の中にあって、本の言葉は、届くまで時間がかかるのが嬉(うれ)しい。デザインする人がいて、印刷する人がいて、製本する人がいて、仕分けて運んでくれる人がいて、店に置いてくれる書店員がいる。これ、どうですか、と薦めてくれる書店営業がいる。ようやく読者が手に取ってくれる。

 原稿を書いている時には、ひとりでジェットコースターに乗っているような怖さがある。やがて、そうか、隣に編集者が乗っていると気づく。最終的に、あれ、前にも後にも、たくさん乗りこんでいるコースターだったのかと、勇気が湧いてくる。

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