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余録

松井秀喜さんが米大リーグ・ヤンキースで活躍していたころ…

 松井秀喜さんが米大リーグ・ヤンキースで活躍していたころ、同僚にカーティス・プライドという外野手がいた。「観客の振動が伝わってきた。こんなにうれしいことはない」。本塁打を放ったプライド選手の言葉という▲胎児のときに母が風疹に感染したことが原因で、プライド選手はほとんど耳が聞こえなかった。妊娠20週までに感染すると、胎児の心臓や目、耳などに障害が出る場合があるのが風疹という感染症だ▲米国では1964年に大流行し、約2万人の胎児に障害などの影響が出た。それがきっかけでワクチンが開発され、69年から風疹ワクチンの接種が行われるようになった。プライド選手が生まれたのはその前年である▲日本でも周期的に流行を繰り返してきた。今年は大流行の兆しがある。国立感染症研究所は今年の風疹の患者数が累計496人(12日現在)と発表した。すでに昨年1年間の患者数(93人)の5倍を超えた▲ワクチン接種の効果が表れるまで約3週間かかる。ウイルスは小さいためマスクの予防効果は低く、2~3週間の潜伏期間にも感染は広がる。「抗体のない妊婦は出勤させないなどの配慮を」と日本産婦人科医会は注意を呼びかける▲打球の音で飛距離やコースを判断する外野手にとって聴覚障害はやはりハンディだったのだろう。プライド選手は大リーグになかなか定着できずに引退した。今はワクチンもあり、感染予防の方法も知られている。妊娠中の女性はくれぐれも用心してほしい。

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